行ってきました、2003年1月17日ファイナル『Elisabeth』。
オマケのガラ付き公演でした。
ラストの本公演キャストは、
エリザベート=Janza
Kata(ヤンザ・カタ)
死=Szabo’
P.Szilveszter(サボー・P・シルヴェスター)
ルケーニ=デージー・サボー・ガーボル
フランツ・ヨーゼフ=Sasva’ri
Sa’ndor(シャシュヴァーリ・シャーンドル)
ルドルフ=Kiss
Zolta'n(キシュ・ゾルターン)
でした。
16日と同様、この日も完成度が高かったです(生意気な言い方で失礼)。
プロローグからよかったですね〜。
と、言いますのは、プロローグの歌い出し、アンサンブル、メイン・キャスト共々、指揮者とのテンポが合わず
(だいたい指揮が早いんだなぁ・・・。と、私は思う)、
結構聞き苦しいのです。
が、この日は恐ろしいくらいにぴったりでした。
うう〜ん、CD以外で、初めて聞きましたよ、あんなに揃っているの。
何事もなく(これ、結構重要ですよね。ここの劇場)、あんなによかった16日公演よりも更によかったです。
が、ヤンザの<結婚前のシシィ>の演技には、やはり首をひねってしまう私。
“天真爛漫”を通り越して、“ちょっとお下品”に見えてしまう。
「いくら野山の中で育ったと言っても、教育はきちんと受けているだろうし、いくらなんでもそんなことはしないだろう。」
と思ってしまうのです。
あれはちょっと受けつけないなぁ・・・。
<結婚後>からはいいのになぁ。
凛としていて、誰も近寄れない、いい意味で近寄りがたいオーラバリバリで凄く素敵だと思います。
「ヤンザ万歳!」って感じで(って、どんな感じだ)。
ひとつ、驚いたのが、<カフェのシーン>。
ルドルフ役の方が受け持つアンサンブルのところに、何故かMago'cs
Otto'(マゴーチ・オットー)が。
公演中に膝を痛めてずっと休演していた彼。なのに舞台に・・・?
「あれ? ルドルフはキシュ・ゾリではなかったっけ? プロローグでゾリだったよね。
ファイナルだからやっぱりオットーが出るのかしらん?」
と、不思議に思ってました。
休憩中、偶然にもロビーにてオットーに遭遇。白いセーターにジーンズという思い切りラフな格好。
「さっき<カフェのシーン>出てたでしょ? 今日やっぱりルドルフやるの? いいの? そんな格好でここ(ロビー)にいて。」
と尋ねると、
「今日も出演出来ないけど、最後だから、やっぱりちょっとだけでも出たくて。演出家と、
ゾリに頼んでカフェだけ出させてもらったんだ。」
とのこと。なるほどねー。千秋楽はやっぱり“遊ぶ”んだなー、と<万国共通>を思っていましたが、
今シーズンのファースト・キャストだったのに、ファイナルを飾れないオットーが可哀想でした・・・。
そのファイナル公演。
舞台も客席も物凄く力入ってました。
いつもの倍、熱い拍手、声援。劇場が吹っ飛ぶくらい熱かったですねー。
演じる方もそれに応じてヒートアップ。
いつもよりも細かい演技、歌唱法で、お得な感じ+「出来るんだったら普段からやってよー。」
と、喜び、かつ生意気なことを考えちゃいました。すみません。
でも、舞台、客席共々、劇場内はとてもいい感じでした。
本公演が終わり、いつもどおりのカーテンコールが行われているなか、
アンサンブルで入っているおじさん(“裁判官の声“担当だったりもする)が、
下手袖からワイヤレスマイクをもって登場。
「本日で、『Elisabeth』は一旦終了します。そこで、本日は特別に、ハンガリーでの『Elisabeh』の歴史を振り返りつつ、
小さなガラ・コンサートをお贈りしたいと思います。」
みたいなことをコメントして、ガラがスタートしました。
アンサンブルおじさんは言いました。
「ガラの最初のナンバーは、『Giccs(ギッチ=キッチュ)』。
ルケーニには、デージー・サボー・ガーボルと、Forga'ch Pe'ter(フォルガーチ・ペーテル)。
そしてアンサンブルでお楽しみ下さい。」
ななななな、なにー!? フォルガーチ〜〜!?
うわーん、よかった! フォルガーチのルケーニが聞けるなんてぇぇ!
と、ちょっと血圧が上がりそうなのを抑えましたね。
彼は、オリジナル・キャストのもうひとりのルケーニです。
さて、どうなったのでしょう?
本公演を終えたデージー・サボー・ガーボルのルケーニが下手花道から登場。
普段の公演と変わらぬ演出でのスタート。銀橋で歌うデージー。
舞台上では民衆と、Hala’l ta’ncosok(死のダンサー)が混じって、てんやわんやの大騒ぎ。
ダンサーたちは結っている髪を振りほどく程のエキサイトぶり。
一回目のサビが終わり、またAメロに入った時、登場しました〜、フォルガーチ。
上手花道から対を張るようにやってきました。
銀橋でWルケーニが歌う歌う〜。そして舞台に上がり、民衆と絡む絡む〜。
デージーは上手くなったものの(前は辛いものがありました・・・。)、やはりフォルガーチには勝てない!
彼のカリスマ性には勝てないなぁ。なんてことを思ってしまった。
いやー。よかったです。
舞台久しく離れているフォルガーチですが、そんなブランクは微塵にも感じさせませんでした。
完成されてる何かを見た気がします。凄かったですねー。
「愛しの“たまごおじさん”フルデシュと、彼での『Giccs』が観たかった・・・。」
と、我侭な意見を一緒に観ていた友達に言ったら、呆れられました。
いいじゃん、好きなんだからさ。
ナンバーが終わると、ハンガリー版のプロデューサーが登場。
『Elisabeth』上演記録等の歴史を説明。
「ウィーンで生まれ、その後、日本、ハンガリー・・・。御当地ハンガリーなのに、何故か三番目の上演地なのです。
日本が先なのです。ちょっと悔しいです。」
そのコメントに思わず噴出してしまったら、周りの観客に<じ〜>っと見られてしまった。
隣の席のご婦人から、「あなた日本人?」と聞かれ、
で、一応「はい。」と答えると、
「彼女日本人だって。」と、一緒に観に来ていた娘さん(推定)に報告。
そこから何故か、「あの人日本人なんだって。」「日本人なんだって。」
と、波紋のように噂がお客様方に広がっていきました。
ご婦人は「じゃあ、あなたは、私たちよりも早く『Elisabeth』を観たのね。いいわね〜。」と言うと、
それがまた波紋のように広がっていきました。なんだったんだろう・・・(笑)。
一緒にいた友達も苦笑い。
「私たち闘争心が強いのよね。きっと。」
うーん、なるほど。
そんなことが客席の一部で繰り広げられていることとは露知らず、
プロデューサーの“『Elisabeth』の歴史“話は続いていきました。
「昨年秋、『Elisabeth』上演10周年記念コンサートがウィーンで行われました。
我が国からもヤンザ・カタ、サボー・P・シルヴェスターが参加してきました。
その記念コンサートでは2人のHala’l(ハラール=死)、2人のルドルフで
『Ma nagyot no”tt az
a’rnye’k(今日、影は大きく広がる)』が歌われましたが、
何でも一番が好きなハンガリー人としては、3人のハラール、3人のルドルフでお贈りしたいと思います。」
さ、3人づつかい・・・。
やはり闘争心が強いのね、あなたたち。
で、誰が来るのかしら? 誰が歌うのかしら? もしやあの人も?!
そしてプロデューサーは・・・、
「ハラールには、オリジナルのMester
Tama’s(メシュテル・タマーシュ)、サボー・P・シルヴェスター、
そして、Ne'meth Attila(ネーメト・アッティラ)。
ルドルフにはマゴーチ・オットー、キシュゾルターン、Dolhai Attila(ドルハイ・アッティラ)!」
・・・。
凄かったです。
キャスティングを発表した時、劇場の屋根が吹っ飛ぶかと思う程の声援と、熱風。
皆様、想像つかれますでしょ?
かく言う私もその熱風を創りだした一人であるのですが(笑)。
これはもー血圧抑えるどころか、「どんどん上がっちゃってって下さい。」でしたね(?)。
舞台上はいつのも<ルドルフの寝室>の装置が。
(センターから下手前(下に向いて)、下手奥(上に向いて)スロープが伸び、
センターより少し上手側にベッドが置いてあります。)
前奏が入り、センター奥からあの人が、あの人がぁっ、やってきました。
下手前のスロープに座ってスタンバイ。いつも公演時、”死”がスタンバるところですね。
「きゃあああ!! 彼だわっ、彼だわっ、メシュテ〜ル!! お久しぶりー!」
と叫んだのは私ではなく、隣のご婦人。
かなりの興奮ぶりでした。椅子が揺れに揺れまくってました。
が、実は私もまばたきするのがもったいない、いや、出来ない。
とばかりに物凄い眼力で、舞台を食い入る様に見つめてました(笑)。釘付けでした。ええ。
メシュテルは、私の見た感じ、「全然変わってないなー。」というものでした。
お歳を召した感じもせず、昔のまま。
ほんの少し長めの髪をひとつに結び、黒のレザーボトム、そしてロングコート。
このコートがっ!
コートもレザーなのですが、袖の上腕部分は普通のレザー。で、袖の下腕、ボディの部分は紅ベルベットっ!
なーんか<紅地のベルベットで黒い無造作模様が浮き上がってる>という風に見えるのですよ。
(本当はどうなのか知りませんが、遠目ではそう見えた)。
<紅ベルベットに黒>ですよ! しかも首にスカーフ巻いてるし!
あああ、メシュテル健在。
久しぶりな“生メシュテル”に、客席はどどどーっと揺れ動きましたね。
『Ma nagyot no”tt az
a’rnye’k』、始めのパートを、メシュテルが受け持ち、静かに歌い出しました。
おおお、お声も健在。あの「ねろ〜ん」とした何ともいえない引きで、
<メシュテル・ワールド>(そんなものがあるのか?)を作っていました。
続いてルドルフのマゴーチ・オットー。
公演時の衣裳(金のライン入りのパンツに、白いシャツ)で登場。
「おお、オットー!よかったねー。出演するのねー。」と心の中でつぶやきましたわ。
ルドルフの苦悩・・・というより、蛇(と書いてメシュテルと読む)に睨まれて動けないように見えるのは何故?
オットーを捕らえるかのようなアナタ。紅いアナタ、もう誰にもアナタを止められないわね・・・。
そんな中、舞台下手からシルヴェスター&ゾリコンビ登場。
彼らは公演時と同じ動き、同じ振りです。全く同じ。”死”のダンサーたちも彼らに絡みます。
ダンサーたちも全く同じ動き。
この時点で、目玉が動きまくって、一体どこを見てよいやら迷ったのですが、追い討ちをかけるように、
上手からネーメト・アッティラ&ドルハイ・アッティラのWアッティラコンビがぁぁっ。
時間よゆっくり流れてくれ、もしくはもう3度ほど流れてくれ。
と、真剣に思っちゃいましたよ。どこを見ればいいのやら・・・。
メシュテル&オットーは、センターに、シルヴェスター&ゾリは公演時と同じ動きで、
Wアッティラは上手に陣取っておりました。
3組もいて、めちゃめちゃになりそうなのですが、うまーくステージングされていましたね。
で、ラストがよかったです〜。”センターに集まるルドルフ3人。それを囲むハラール3人”。
ハンガリー版のラスト・ポーズは、
<ルドルフ、ハラールから受け取った球を客席に差し出す。彼の肩を後ろから掴むハラール>
というものです。で、3ペア・ヴァージョンのラストは、これと同じステージングだったのですが、
なーんかよかったんですよー。
ひとつの球を、3人のルドルフで支え、その背後にそれぞれのハラールがいる・・・。
これは上手い!と、うなってしまった。
あまり(というか、”かなり”)、『Elisabeth』のステージングは好きではないのですが、これはよかったなぁ。
大大大アプローズの後、司会の方も何の説明も無く、いきなりとある曲のイントロが・・・。
『Az ma'r nem e'n
lenne'k(私はそうならない)』でした。
そして盆舞台が時計回りに回って行き、Seres
Ildiko'(シェレシュ・イルディコー)登場。
衣裳は公演では使用していないドレスでした。
<シシィの部屋>セット内の椅子に座り、しっとりとそしてかみ締めるように静かに歌っていました。
彼女は結構”噛み付き系”なのですが(と、私はそう思う)、なんだか<大海原のさざなみ>のようで驚きました。
(が、相変わらずスケールは大きい)
盆舞台は止まらずまわり続けています。
続いて見えてきましたPolya'k
Lilla(ポルヤーク・リッラ)。彼女は一幕ラストの白いドレスを着ていました。
いやー、若い。瑞々しいですねー。そして清々しい。透明感ばっちりのシシィでした。無邪気さそのもの。
声も安定していてリラックスして聞けました。
それでも盆は回って行き、やってきましたヤンザ・カタ。ハンガリー戴冠式時の衣裳でした。
もう、なんと言いますか、オーラがね。オーラがこちらに刺さってくるんですよ。彼女のゆるぎない強さが怖いです。
なのですが。なんだか力が入りすぎてるように見える・・・? どうしたのー? いつもと違うわ。
原因は・・・。そうかっ、ここにあったかー!
センターには丸い迫り(セリ)があって、昇降するのですが、
その迫りに乗っかって来ましたよ。上がってきましたよ。あの方が。
Sa'fa'r
Mo'nika(シャーファール・モーニカ)がっ!
観客一同壊れてました。大歓声で彼女を迎えました。勿論、隣のご婦人も。
ご婦人は興奮のあまり体を揺らすのです。すると私まで一緒に揺れてしまうのです。
た、頼むー。やめてくれー。私はモーニカに集中したいのだーっ!
一緒に来ていた娘さん(推定)に諭されて、ご婦人は私を”揺れ”から解放してくれました。
しかし。
そんなことがあったので、すっかり醒めてしまいました。スパッと何かが切れてしまった。
あー・・・。
ご婦人よ、嬉しいのは充分理解出来る。私も同じだ。だが、他人を巻き込むのはやめてくれーっ!
ううう。モーニカ。私がこのガラで一番楽しみにしていたモーニカ。 ・・・残念です。
モーニカのソロが終わり、4人のシシィで舞台に居並びました。迫力でしたね。
そして、声質、歌唱法、キャラクターと、どれをとっても全く違うタイプの女優さんたちだったのねー。
と、改めて思わされました。
で、ヤンザ・カタ。やっぱりいつもと違う。
緊張しているのが分かります。
モーニカに背中に手を添えられた時、彼女は”嬉し恥ずかしおっかない(笑)”という表情で先輩モーニカを見つめてました。
そう。ふたりがオリジナルなんですよね。
モーニカは初演時のセゲドと、オペレッタ劇場のみ出演ですが、『Elisabeth』を圧倒的な地位にまで持っていった方。
そしてヤンザの成長を見てきたのですよね。
(初演時のヤンザは『オペラ座の怪人』のクリスティーヌ状態だったらしいです。コーラスから大抜擢。)
ヤンザは、初演から今まで、ずっとずっとシシィを演じてきた方。
「ここまできましたよ。」とモーニカに言いたかったのかもなぁ・・・。(すみません。勝手に思ってます。)
4人の歌声はほーんとに天まで届きそうでした。ラストも綺麗にハモって、私たちは大感激でした! どうもありがと〜!
大感激のうちにナンバーは終わり、シシィたちが去ると・・・。
き、来ました。来ましたね、あなた。出ちゃったわね、Kere'nyi Miklo's
Ga'bor(ケレィーニ・ミクローシュ・ガーボル)!
現在のブダペスト・オペレッタ劇場の総裁で、『Elisabeth』を演出した方です。
登場して何をお話されるかと思えば、『Elisabeth』の思い出と、プレミアを迎える『Mozart!』のことでした。
(『Mozart!』も彼が演出です)