2006.1.2 更新
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一言書評
新書・専門書




『旧約聖書を知っていますか 阿刀田高  
新潮文庫


無宗教だという筆者の視点で、とっつきにくい聖書への取っ掛かりを与えてくれる入門書。筆者の考えによれば、『旧約聖書』は大きく三つの部分に分かれるという。すなわち、@天地創造からアダムとエバ、そしてノアの箱舟を経てバベルの塔までの神話的部分、Aアブラハムからダビデ・ソロモンまで、系統が比較的明確な歴史的部分、B国が分裂し、細々といくつもの支流に分かれる部分、の三つである。本書では、筆者の言うところの第二の部分、すなわちアブラハムの歴史的な事績から筆を起こし、ダビデとソロモンにまで至ってから神話時代へと舞い戻る形をとっている。『旧約聖書』本体に比べれば、紹介されているエピソードはごくごくわずかにすぎないが、一つ一つのエピソードは平易な視点と文体で綴られていて、一般読者が期待する教養としては、まずまずの水準に達していると言えるだろう。各章の冒頭は、聖書とは関係なさげな事柄から語り始められるが、それが読者に「ああ、なるほど」と思わせつつ聖書の内容へとリンクしていく筆法は、なめらかで読みやすい。(2001.9.25読了)



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