2006.1.1 更新
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一言書評
日本の小説・随筆


司馬遼太郎 『竜馬がゆく』文春文庫


開国か攘夷かで揺れる幕末期、日本の行く末を憂えた志士の一人、坂本竜馬の生涯を描いた歴史小説。土佐の商家に生まれ、泣き虫だった幼少時から、江戸の千葉道場で剣名を挙げ、やがて勝海舟の啓蒙を受けて世界に目を向けてゆく様が、多くの資料に基づいて描かれている。大政奉還の着想を得て、それを実現にまでこぎつけさせたのが、快男児・竜馬であることを国民に知らしめたのは、本書であると言っても過言ではない。小説なのだが、司馬遼太郎ならではの史観も織り交ぜ、半ば歴史として語るスタイルであるため、主要人物以外は、登場した直後にどのような最期を迎えるかを述べてしまう。読んだ当時は大いに不満であったが、その不満を補って余りある躍動感が心地よかった。(1988 読了)



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