2006.1.1 更新
HOMEに戻る
Literatureに戻る



一言書評
日本の小説・随筆


佐藤由美  『シューベルトさま こんにちは』新潮文庫


小説ではなく、白血病で亡くなった少女の日記。小学校から高校にかけて綴られたものを、ご両親が整理して刊行したもの。ずっと不安のただ中にありながらも、常に明るく聡明であり続けた様子が伝わってきて、胸をうたれた。最後、思いを寄せた男子に告白するが、両思いにはなれず、その直後に亡くなってしまっている。冷静に、しかも温かい目で自他を見つめ続けているため、最後の失恋さえも、読む側にとってはほとんど美しい物語のように感じられてしまうほどだった。「由美 新たなる一歩」と記されて、日記は終わっている。惜しまれる事に、すでに絶版となっている。(1989 読了)




HOMEに戻る
Literatureに戻る