2006.1.6 更新
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一言書評
漫画・アニメ



広く深く、だが未完

みなもと 太郎


『風雲児たち』


横山光輝『三国志』が連載されていた月刊誌『コミック・トム』にて長期連載された、歴史ギャグマンガ。幕末の動乱期を描くというコンセプトだったのだが、関ヶ原の戦いから筆を起こし、幕末に至るすべての根を掘り起こすべく、あまりにも周到に描き進められたため、幕末にたどり着く前に終わってしまった。勝麟太郎(海舟)や坂本竜馬がようやく歴史の舞台に登場した30巻でひと段落という事になり、あらためて続編として幕末編が続いている。

政治・経済・軍事・学問・国際関係等、江戸時代に関するあらゆるジャンルを網羅的に描いているので、これを読むだけでも相当な江戸時代通になれること請け合い。とりわけ、教科書等の記述ではごちゃごちゃしすぎてイメージが湧かない人物も、これを見れば、それぞれがいかに独創的で数奇な人生を送ったかが、いやでも脳裏に焼き付いてしまう。中盤以降は、描こうとする範囲が多岐に渉りすぎて、ギャグのキレも悪くなり、物語としてもまとまりと勢いを欠いてしまうのが惜しまれる。個人的には、4〜8巻、平賀源内や前野良沢・杉田玄白らの蘭学者の様子を描いたあたりが、笑いあり、涙ありで、深く心打たれるものがあった。
(2001.10.8)



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