2006.1.1 更新
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一言書評
海外の小説・随筆



ヘッセ 『知と愛 (ナルチスとゴルトムント)
訳/高橋健二 新潮文庫



中世ドイツの修道院を舞台にした二人の少年の物語。ナルチスは豊かな知性に恵まれ将来を嘱望される美少年であり、かたやゴルトムントは、母に捨てられるという、幸福とは言えぬ生い立ちをもつ少年。ゴルトムントは、懊悩と乱脈な放浪の果てに、母とともに失われていた己にとっての愛のありようにたどり着いた。後半の放浪生活の描写が冗漫であると映るかも知れないが、その迂遠とも思える時間の果てにはじめて、知性の高みと、愛という人間性の深みとの対峙が説得力をもつものになったとも言えるだろう。



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