2009.8.9 更新
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Essay (一言書評)
Comic (漫画)


あだち 充
『タッチ』
 

これは面白かった。ひとえに、物事に頓着しない性格の兄に、弟の夭逝という拘泥せざるを得ない陰影を落とした、という設定の勝利だろう。物語の3分の1あたりで弟が唐突に死んでしまうのも、効果的な段取りだ。ライバルの新田君の存在もさることながら、その新田君がいみじくも「上杉達也は、一体誰と戦えばいいんだろう……」と見抜いたように、内面の葛藤の物語として深みを持つことができたのがすごい。それにしても、毎年夏休みになるとTVで再放送されるが、いつも最後までいかないうちに、休みが終わってしまった気がする。(2000.12.28)


 『H2』
 

面白いには面白いが、、『タッチ』の二番煎じの感があるのは否めない。主人公が、はじめからほぼ完成された傑出した能力をもっている点は確かに違うけれど、ひかるの母親が物語の後半で死んでしまうのは『タッチ』の亡霊をしょっているし、「幼なじみ」という設定もすでに使用済み。すべてが理屈っぽすぎて、キャラクターや色々な事件がどれも作者の意図通りに動いているようで、窮屈に感じられた。

キャラクターについて、「大人たちは過剰に子供じみている」「子供達は過剰に大人びている」という傾向が、『タッチ』よりさらに顕著になっているようだ。
(2000.12.28)



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