2009.8.9 更新
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Essay (一言書評)
Ciname (映画)
『ラストエンペラー』 |
昔見たときには、背景に通じていなかったためにピンと来なかったけれど、今回はじっくりと見た。皇帝が英語でしゃべっているのには、ちょっと度肝を抜かれた。イマイチ重みが感じられなくて、残念。それはともかく、余計に語りすぎないところと、溥儀という人物に、無理に一貫した思想性をもたせなかったところがよい。細かい伏線が無数に張り巡らされていて、それが明確だが押しつけがましくないのもよかった。皇帝即位のときの垂れ幕の布と、宦官と戯れるとき、二人の妃とじゃれるときの布。屋根の上から外界を展望しようとするシーンも二度。はじめて外国人教師から与えられた自転車が、最後には新中国のもと、人々がみな使うようになっているシーン。そして、淡々とした中にも敢えてクライマックスはどこかといえば、満州国の傀儡皇帝となって後、皇后が自分のもとを去る際に追いかけるが、門を閉ざされてしまうシーンだろう。これが物語前半の、紫禁城から担ぎ出された母親を追うシーンを伏線としていることは言うまでもない。二度皇帝になり、二度廃され、母を失い、妻も失う、という構図。 中国に身を置いて見ると、日本軍のあり方には度々身のすくむ思いがする。映画の日本軍の虐殺シーンの映像の中には、中国のニュースで度々使われているものがあった。一方、ほんのわずかだとはいえ、原爆の被害も映しているのは、アメリカの良心か。ふと思ったのだが、昭和天皇も、敗戦の時には、自分が今度は溥儀になるのだと覚悟したのかも知れない。(中国語字幕版にて 2000.12.22Diaryより) |
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