2009.8.9 更新
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Essay (一言書評)
Ciname (映画)
『オールド・ルーキー』 |
肩を壊してマイナーリーグから一度引退した男が、メジャーリーグのマウンドを夢見て、再び野球に挑戦する物語。なのだが、実際には、夢を追う男と、それを支える家族や地域の絆(きずな)を描いた物語。そこはかとなく、いい作品だ。 比較的マメに雰囲気を描出し、目立たないように伏線が張られているのにも好感。試合に勝って喜ぶ子供たちの向こうに、負けたチームの子供たちがふてくされたように歩いて行くのがちゃんと写っているのも、「そうそう」と頷かされるささやかな臨場感があった。また、赤ちゃんのオムツ交換シーンが妙にクローズアップされているな、と思っていたら、その後でメジャー挑戦を悩む主人公が、「メジャーに入れば、家の仕事を君一人にまかせなくてはいけなくなる」というセリフ。なるほど、家事と子育て、そして家を一人で守らねばならない選手の妻の大変さを、その一点に集約して強調しておいたのか、と納得させられた。 石油を掘る装置の動きで、街の景気と雰囲気ををなにげに象徴させている点などもテキサスチックな感じがして「へ〜」と思ったけれど、やはり一番「おっ」と思ったのは、メジャーにあがれない主人公が、くじけかけて、妻のもとに電話をかけたシーンだ。受話器ごしに夫から、「もう家に戻る・・・」と告げられた妻。僕は漠然と「・・・クビになったの?」と妻が応答すると思ったのだが、妻が口にした言葉は「・・・ケガをしたの?」一度肩を壊して野球から引退した夫を持つ妻、ああ、きっと心配はそうなのだろう、とちょっと心動かされた。(2003.2.9Diaryより) |
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