マルタンヤンマ
2004.8.12 東京都
木立に囲まれた挺水植物の茂る池沼に住むヤンマ。成熟した♂は複眼と胸の一部が鮮やかなコバルトブルーに輝き、最も美しいヤンマと言われるが、朝夕の薄暗い時間帯に活動し、日中は暗い林内に潜んでいるため、人目にはつきにくい。♂♀とも成熟すると翅が褐色に色づき、特に♀の翅は非常に濃い褐色になるので、黄昏飛翔時にはシルエットでも大変目立ち判りやすい。関東地方では条件が良ければ街中の公園で見られたりと、意外に広く分布するが、個体数が多いところはあまりない。


林の木陰で休息する♂
ともすると随分珍しい種のように思われる場合もある本種だが、実際はある程度条件さえ揃えば数は少ないながらも意外とあちこちに生息していたりして、私の自宅近くでも黄昏飛翔を見ることができる。そのため、昔から有名な生息地へ行かずに近場で自力で見つけてやろうと意地を張った(?)お陰で、このシーンに出会うまで十数年を要してしまった。これは、地元での探索にさすがに限界を感じて遠征した時に撮影したもので、ここをフィールドに観察されている方が見つけて教えてくださった。



 


 

上のシーンを撮影後、今度は少し遠くに止まっているのをあっさり自分で見つけてしまった。どうも一度実際に見たお陰で、微妙な目の付け所というか、そういったものを何となく掴めてきたのかもしれない。しかしやはり幼虫の育つ池沼の環境がそれなりにしっかりしていてそこそこの個体数がおり、しかもそれに加えて林を探索しやすいような立地条件だったりするような場所だからこそなのだろうとも思う。深い丘陵などで立ち入りにくい場所も多く、反面発生源になりそうな池は小規模にちょぼちょぼしかない・・・といったようなところだと、やはり発見はかなり難しいことが多いようだ。



▼♀
同日夕方になって見つけた♀。何気なく歩いていたら♀独特の翅の付け根の濃い茶色のぼかしが目に飛び込んできた。


黄昏飛翔>>
♀産卵 2002.8.29>>