シオカラトンボ
最も馴染み深いトンボで、ちょっとした止水があればほとんどどこでも見かけるという印象があるが、基本的には明るく開けた環境を好むトンボで、暗い林に囲まれた池などではほとんどオオシオカラトンボばかりのこともある。未熟個体はちょっとした空き地の草むらなどでよくみかける。
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▲♂ 2002.7.4 神奈川県川崎市
シオカラトンボという名前はもちろんこの成熟した♂の白粉を塩に見たてたものだが、比較的身近なトンボの中にもシオヤトンボ、オオシオカラトンボ、コフキトンボといった似た仲間がいて、慣れないとちょっと迷うかもしれない。これらの中でシオカラトンボは実は一番腹部がほっそりしているので、よく見るとこのプロポーションだけでもけっこう他の種と違っている。また、普通に成熟した♂の腹部の先の方4割?くらい黒く、その先の上付属器が白いのもよい目印になる。ただし非常に老熟した♂は稀に腹部がかなり先の方まで白茶けてしまうことがあるようだ。私も実はトンボを見始めて間もないころ、谷戸で驚くほど変に白っぽいシオカラトンボを見て悩んだ経験がある。しかもその個体は翅まで見事に白濁していて、飛んでいると全く別物に見え、最初足元から飛び立った時には「何だこれは!!」と思ってしまった。当時まだシオヤトンボも見たことがなく、街中ならともかく、「いかにも」な場所なので考え込んだが、どうしてもシオヤにしてもほっそりしすぎていて、やっぱりシオカラ以外に当てはまるものがないという結論に達した。翌春別の谷戸で本物のシオヤトンボに出会ったが、やっぱり形が全然違っていた。
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▲♂ 2002.7.4 神奈川県川崎市
ここでは先日交尾態になったカップルが飛び廻っているのを野良猫が狙っていた。まあそう簡単には捕れないだろうと思って見ていたのだが、その辺をぐるっと一周して猫に近づいた途端、なんと一瞬にして空中キャッチされ、♂♀ともまとめてむしゃむしゃと食べられてしまった。やはり交尾中は飛行速度が落ちるので咄嗟には逃げられないようで、かなりな危険を冒しているということになるだろう。
▲♀
♀は麦藁とんぼの名で親しまれている。一応標準和名は♂だろうと♀だろうとシオカラトンボなので、なまじ生き物に詳しくなると「シオカラの♀」などと言って、麦藁とんぼなどとは呼ばなくなったりするのだが、やっぱりこういう味のある呼び名も一方で大事にしたいものだ。
