ナゴヤサナエ
2002.7.28 埼玉県
河の下流域や汽水湖に発生するサナエトンボ。分布は局地的で稀な種だが、知見の蓄積が進んで関東地方でも近年あちこちで記録されるようになった。この「ナゴヤサナエ」という名前は、最初の発見地の地名から付けられたものだが、どうもこの名前のおかげで、図鑑には関東にも多少いるような書き方をしてあっても、私にとってはどうもあまり見れそうな気がしないトンボ、というイメージだった。しかし近年になって荒川・江戸川流域の生息状況をおぼろげながら知るようになって、近いうちに見てみたい目標種の一つになっていた。しかしそれでもいまだ名前からの先入観から抜けきれていなかったのか、この日もあんまり期待はせず、どちらかというとネアカヨシヤンマの方を熱心に探していた。
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▲♂ 腹部上面の節ごとに環状の淡色斑がある。シルエットはオナガサナエにも似るが、胸の2本線などからミヤマサナエにもちょっと似た感じもする。肩の斑はL字ではなく、「ハ」と「_ _ 」に分かれている。
うろうろ歩き回っても今一つ収穫がないままに、仕方なくなんとなくよさそうな感じのところに腰を下ろしてぼーっとしていると、不意に木の梢から何かが飛びあがってすぐ元の所に舞い降りるのが見えた。よく見ると中型のサナエトンボらしきシルエットが見える。1時間ほど前に少し離れた場所でオナガサナエを確認したので、またオナガサナエか?と思いながらとにかく望遠鏡を覗くと、胸の二本の帯がはっきりと離れたちょっと見慣れない雰囲気のサナエトンボが目に入った。変な角度で判り難いが、あれ?これナゴヤでは!?と思いともかく写真を撮ろうとカメラをいじって顔を上げたらもういなかった。慌てて周囲の木のてっぺんをくまなく探すが全然見つからない。その後も一帯をぐるぐる廻って探したが、なぜか朝方いなかったウチワヤンマを2頭見つけただけで、ナゴヤサナエは行方不明だった。やっぱりナゴヤは少ないんだろうなー・・・というわけであきらめ、ヤンマ探しに戻った。
結局夕方になり、マルタンヤンマ♂2♀2と、時々出てくるネアカヨシヤンマ♂1の乱舞を眺めていると、なにやらサナエトンボの影が飛び立って葉先に止まった。慌てて望遠鏡を覗くと、オナガでもミヤマでもない、なるほどこれぞ確かにナゴヤサナエではないか!しかし惜しいことにもう6時半で、撮影には絶望的な暗さだ。近ければストロボを使えばいいが、デジスコでないと届かない高さなのでどうしょうもない。結局仕方なく生まれて初めて感度800に切り替えて、それでも超スローシャッターに泣かされながら無理矢理撮影してみたが、こんな最悪の条件下の割にはどうにかナゴヤサナエと判るような写真がいくつか撮れていた。

▲もう泣きたいほど暗い・・・。6時半のデジスコというのがそもそも無茶なのだが(笑)。あとで画像をいじってみたがこれが限界。

・・・で、デジカメに2倍テレコンを付け、発光補正を+2にし、めぇーーいっぱい背伸びして撮ったのがこれ。キツイなあ・・・。またいつか明るい太陽の下で・・・。