キイトトンボ
2002.7.14 東京都

 挺水植物の繁茂した池や湿地に住む真黄色なイトトンボ。本来かなり普通種だが、近年各地で生息地が激減している。



 キイトトンボは関東地方でここ数十年のうちに最も減ったトンボの一つではないだろうか?私がトンボを探し始めた10年前ごろには既に相当減っていたようで、どこヘ行っても見かけないので、「これでどこが普通種なんだ!?」と思っていた。茨城まで行ってようやく1頭に出会い、その後東京都下の公園のトンボ池で「多産する」といって差し支えないような場面にやっと行き当たった。この公園は面積の大部分が徹底的に人工化されていて、私はどうも感覚的にちっとも好きになれない場所ではあるのだが、しかし1区画だけトンボのために環境整備されており、確かにそのエリアに限っては近年都市部では珍しいほどトンボの個体数が多い。キイトトンボの見やすい場所もほかにあまりないので久しぶりに出かけてみた。

 以前訪れてから相当年月が経っているので、どの程度見られるか若干不安でもあったが、池にさしかかる手前からもう足元に鮮黄色の細いものが浮遊していていた。木道を一回りすると至る所で産卵が見られ、この場所では最も数の多いトンボになっている。こういう光景を見ると一般に激減しているのが信じられないくらいだが、ここでは遷移が進みすぎないよう定期的に手入れがされているようで、細い草が茂り、しかも水量も比較的安定した湿地の環境が保たれているからこそであろう。今やこのようにかなり意図的に環境を維持していかないとこのような種はどんどんいなくなってしまう状態になってしまったようだ。

 しかしそれにしてもこの公園、東京では人が住んでいない土地があるだけでも貴重なので、せっかくだからもう少しこの池のような自然度の高いエリアを拡大してもらえないものだろうか・・・?
 


 

▲♀未熟
 

▲♂未熟

未熟個体は湿地の周囲の林の下に集まっていた。