コシボソヤンマ
2002. 8. 26 神奈川県

 平地から丘陵地、低山地の木々に覆われた薄暗い小河川に住むヤンマ。特に平野部では河川改修や水質汚濁により生息地が失われてきた。♂は流れの上を低くパトロールし、♀は川辺の苔むした岩や木の根、湿った崖などに産卵する。
 ▲♂ 腰が著しくくびれるのが特徴。カトリヤンマなど、腰がくびれるヤンマは他にもいくつかあるが、本種はくびれた細い部分とその直後の太く張り出す部分の差が著しいので、より極端に「くびれた」印象を与える。写真等からは黄色と黒のオニヤンマに似たトンボという印象にも見えるが、野外では色合いがかなり灰褐色味を帯びて見え、一回り小さく、飛び方もより素早いので、一目でわかることも多い。またパトロール時の姿勢がやや前のめりで、腹端が上がった感じに見えることが多いようだ。♀はさらに暗色部が褐色でむしろ薄茶色のヤンマという印象で、不意に目の前を飛んで横切ると一見羽化したてのトンボのように見えたり、或いはマルタンヤンマ♀を連想することもある。

 

 この日はヤブヤンマなどを撮影した後、夕方帰りがてらコシボソヤンマが飛んでいないかチェックしながら流れの脇の道を歩いていた。小さな淀みにさしかかったところで、「ここ飛びそうだなあ・・・」と思って見下ろしたら、本当に水面上を何かがうごめいている。薄闇の中目を凝らしてみたらやっぱりコシボソヤンマだった。早速川に降りて撮影し始めたが、改めて感心するほど体色が薄暗い川面の色に溶け込んでおり、しかもスピードが速いので、肉眼で追うのさえ難しいくらいだ。見る角度によっては本当に一瞬消えてしまったように見えたりするのだ。たかだか1メートル四方の範囲を執拗に往復しているのだが、往復と言っても実際はその淀みの空間の形に合わせて多角形に飛んでおり、飛ぶコース、順序もそんなに一定していないので、なかなか思い通りに画面に入ってくれず、相変わらず苦労した。しかし今回も枚数をこなすことでそこそこよいカットが得られた。
 ▲時々あまりに近すぎてこんな風に切れてしまったりする。ピントも合っているだけに、こういうのは実に悔しいものだが、ある意味迫力があってそれなりに面白い気もしたのであえて採用(^^)。



 


 
2001.8.24 初撮影