カザフキアシセグロカモメ Larus achinnans/heuglini barabensis
January 12th 2005 Barka, Oman.

※注和名は「アルタイキアシセグロカモメ」を当てている本もあるが、繁殖分布と照らし合わせるとどうもカザフの方が適当かな?と思えるので、ここではとりあえず「カザフキアシセグロカモメ」としておく。和名だけだとちょっと統一がとれていなかったりで混乱しがちなので、一般にも学名でbarabensis(バラベンシス)と憶えてもらえると通りがいいし、混乱も避けられるかと思う。

バルカではホイグリンカモメの群を見ていると大抵ぽつぽつと何羽も見つかったが、時間帯や群によってはあまり見つからなかったり、逆に何羽も並んでいたりということがあった。ホイグリンカモメの群中では、(1)頭が白い(2)上面のグレーがより淡色(3)脚や嘴がより明瞭に黄色いという特徴の組み合わせから割と容易に見つけられた。

換羽時期は早く、日本のウミネコのように冬季に夏羽になる。Olsenの「Gulls」では9月〜2月が冬羽、2月〜8月が夏羽となっているが、今回の観察では1月にしてすでに夏羽の個体が普通に見られた。

BarabenisはDNAではホイグリンカモメと変わらないとも言われていて、ホイグリンカモメの亜種として扱われる場合もよくある。もちろん中にはわかりにくい例もあったが、しかし基本的には外見上かなりはっきり違いがわかることが多く、それほどホイグリンカモメによく似ている鳥、という印象ではなかった。



脚は鮮やかな黄色で、こう並ぶと右奥のホイグリンカモメの脚が随分地味に見える。換羽はホイグリンカモメより早く、初列風切は伸びきっているのが普通だった。頭は1月にしてほぼ完全に真っ白という個体が多い。日本のセグロカモメ(vegae)と比べると、初列風切の突出は大きく、脚も長めに見え、全体にバランスの印象が違って見えることが多かった。


一番奥がbarabensis


日本では10月頃と4月頃に、頭が白くて脚が黄色い、一見これにそっくり?に見える個体を観察することがある。もしかしてbarabensis?と思いたくなるのだが、10月や4月ということは、単にホイグリン系中間個体の夏羽ではないか?ということで大抵説明がついてしまう。特に十月の場合はbarabensisは換羽時期からしてむしろかなり冬羽に換羽しているのではないかと思われ、日本周辺で10月頃よく見かける脚の黄色い夏羽タイプはやはり基本的にホイグリン系だと思う。


冬羽に近い個体。嘴や脚がそれほど鮮やかではなく、画像では分かりにくいが後頸に僅かに細い斑があった。


嘴の黒斑が大きくて嘴や脚は肉色気味なので、やや若い個体のようだが、頭は完全に白い。


Barabensis(手前)とホイグリンカモメ(後)


上面も濃くはなく、頭もかなり白く、初列風切の白斑も大きいので、barabensisではないかと思うが、初列風切はまだP8が最長で、換羽状態はホイグリンカモメに似ている。嘴や脚も冬羽のためか色が地味なので、典型的な夏羽の個体と比べると判り難い。