カモメの嘴に赤斑? 2005.2.27
M.Ujihara

▲カモメ Larus canus kamtschatschensis

ただカモメ成鳥の嘴は冬羽では基本的には地味な黄色だが、詳しく見ると複雑な色パターンを示していることがよくある。左の画像の個体は付け根寄りが地味な灰緑色のような色で、それに対して先の方が多少オレンジ色がかっていて、さらに暗色のしみのような斑がついているこのようなパターンがごく普通に見られる。

で、面白いことにこの嘴を遠くから見ると、いかにも嘴に赤斑があるように見えてしまうことがある。特に条件の悪い写真では色が滲んだりしてさらに紛らわしくなる。右の3つの小さな画像は、左の画像のコントラストを上げて縮小してみたもの。PCの環境によって多少見え方は違うかもしれないが、じっと見ているといかにも赤斑があるように見えてくるだろう。一番小さな画像に至っては、もう赤斑があるとしか思えないかもしれない。というわけでとにかく条件が悪ければ悪いほど注意した方がいいポイントだ。

実はこれに惑わされる人は昔から驚くほど多く、ここだけを見てセグロカモメとかウミネコとかいう話になってしまうことすらしばしばあるが、これも嘴の斑という一点の小さな特徴に注目しすぎたために起こる間違いと言える。カモメとセグロカモメというのは大きさや体型からして明らかに違いがあり、全体のサイズや形のバランスに注意すれば間違うようなことはまずないはず
大きなカモメや小さなセグロカモメ(もしくはホイグリンカモメなど)がいるとは言っても、だからと言って識別に困るようなことはまずない。実物が見られるなら実物を、それが無理なら写真を少し沢山集めて繰り返し眺めるだけでも大抵は十分わかるようになると思う。

<<セグロカモメ Larus vegae 

こう見るとカモメとセグロカモメというのは決して似ていないことがわかると思う。「嘴に赤斑がある」といった特徴を単に言葉として憶えて当てはめるのではなく、それが実際どんな感じに見えるのか、どんな時にどんな風に見えやすいのか、というあたりを自分の目で沢山見て把握していくことが大事だ。