最新・カモメ情報 2012.3.20 皇居

モンゴルセグロカモメ
 (Presumed)
Larus [vegae/cachinnans] mongolicus

モンゴルセグロカモメの特徴をよく備えていた3個体を以下に掲載。その下に比較用にセグロカモメも掲載した。一般にモンゴルセグロカモメの識別はカナダカモメより数段難度が高く、識別は個体や観察時期等々によってはいくらか暫定的な側面が含まれることに注意。




第1回冬羽
11日にも観察されている個体。一般に冬季からもっと磨耗褪色が進行した個体の方がセグロカモメや‘タイミルセグロカモメ’とかけ離れてよりわかりやすいが、白黒のコントラストが強い羽色や尾羽のパターンはセグロカモメの群中で一際目を引いた。繁殖分布内でも北寄りの個体や遅生まれの個体では進行が遅れる可能性がある。


左手前はセグロカモメ。


尾羽の黒帯は極めて狭く、縞が少なく白い基部とのコントラストが鮮やか。


大雨覆は暗色帯を形成せず、内側初列風切は淡色のウィンドウを形成している。



第1回冬羽
より磨耗褪色が進んでかなり白っぽい個体。ただしこの時期はセグロカモメ(と思われる個体)の中にも、胸から上や肩羽がかなり白く、特に水に浮いているとかなり似て見える個体がいて判断に迷うこともある。


頭から体下面がほとんど白い。セグロカモメではこの時期かなり磨耗褪色が進んでもなお腹に褐色部が広く残っている個体が多い。左後はセグロカモメ第1回冬羽。


尾羽基部は冒頭の個体より縞があるが、外側2枚ほどの基部は大半白く、黒帯も狭い。



成鳥
上空から舞い降りてきた段階で翼の黒色部の多さと頭の白さが目立ち、微妙な構造的な印象なども含めてかなりモンゴル的と感じた個体。後頸に斑が残っているが細いものだけで、ぼやけた太い斑はない。嘴に黒斑がない?のはモンゴルセグロカモメとしては典型的でないと思われるが、2006年12月の中国でも黒斑のない個体を観察しており、また中国で発見されたウィングタグつき個体にも黒斑がない個体(AG14)がいた。また韓国で度々撮影されているAB48個体は、2007年11月11日及び2008年1月16日の画像では上嘴・下嘴ともに黒斑があったが、興味深いことに2011年10月23日の画像ではそれらがほとんど消失していた。つまり黒斑の有無は単に個体差だけでなく、時期や加齢?による変化もあるようだ。


足の色は灰色がかった極めて曖昧な肉色で、モンゴルセグロカモメとカスピセグロカモメによく見られる色合い。足を見ずにモンゴル的と感じ注目した個体の足の色が結果的にモンゴルによく合致している点は興味深かった。


初列風切の黒色部は広く、上空から舞い降りてきた時にまずこれで目についた。黒色部はP10からP4まで7枚あり、P4のものは内弁・外弁にまたがるW字型。初列雨覆の数枚にも小黒斑がある。P8からP5までの外弁の黒色部も基部寄りに長く伸びている。



上記の特徴は全てモンゴルセグロカモメの範囲を逸脱しないと思われるが、ただし特に初列風切の換羽状態が参考にならないこの時期には‘タイミルセグロカモメ’(―寄りのセグロカモメ?)の中に酷似する個体がいる可能性もあり、この辺りが識別をより難しくしている。



セグロカモメ(?) Larus vegae?
頭がほぼ真っ白だがその割にあまりモンゴル的に見えず、セグロカモメ夏羽かという印象を受けた個体。


上と同じ個体。初列風切の黒色部は6枚。足は濃いピンクで、嘴・頸・翼など、全体に短く詰まった印象に見えるのもどちらかというとセグロ的。



セグロカモメ Larus vegae の群
セグロカモメはこの時期でも依然冬羽の個体が多く、前出の個体ほど頭の白いものは1〜数%程度という印象。



セグロカモメ Larus vegae