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 2012.2.28 千葉県銚子市 

アイスランドカモメ亜種kumlieni×カナダカモメ? Larus glaucoides kumlieni X Larus thayeri? 




アイスランドカモメ亜種kumlieni×カナダカモメ? Larus glaucoides kumlieni X Larus thayeri? 第4回冬羽
2009年に第1回冬羽で観察された通称「kumlieni2号」と同一と見て間違いないと思う。2010年には第2回冬羽、2011年には第3回冬羽で同一と思われるものが撮影された例があるが、その時点では「不明カモメ」や「カナダカモメ」としてネット上に掲載されていた(私は残念ながらその2年間には同個体に出会えてない)。確かに今のところ第1回冬羽時点の姿から予測したよりはかなりカナダカモメ寄りの外観になっているのでとりあえず上の表題にしたが、初列風切各羽先端の白斑はカナダカモメ(―の第4回冬羽)にしては大きめで、また嘴とのバランス上かなり眼が大きく見えるのも2009年時点からアイスランド的に感じる要素の一つ。一般に第2回〜第4回辺りの中途半端な年齢では、初列風切の白色部が未発達なために、濃いめのkumlieniがカナダ的パターンに見え、濃いめのカナダはセグロ的パターンに見える傾向があるようなので(―例えばHowell図鑑35A.27及び36.47など)、完全な成鳥になるまではパターンの評価が難しい面がある。




昨年の第3回冬羽の時点では初列風切の斑紋はP5まで6枚分明確にあったが、今年はP5の斑が消えて5枚になり、さらにP9には昨年までなかったミラーが、P6の斑紋内にはごく細いながら白い軸斑が出現している。全体に昨年よりは白色部が増大してkumlieniのパターンに近づいてはいるが、ただしP9のミラーが外弁に達していないことと、P10にサブターミナルバンドがある点はカナダカモメ的。まだ第4回冬羽なので来年さらに白色部が増大する可能性があるが、もし仮にこれ以上の変化がない場合にはkumlieniとするにはやや苦しく、カナダカモメとの雑種/中間個体とする方が妥当と思われる。ただしkumlieni自体がそもそもカナダカモメとアイスランドカモメ(glaucoides)の交雑個体群という見方もあり、それに従う場合には典型的なカナダカモメと典型的なアイスランドカモメ(glaucoides)以外のこうした個体は全て交雑個体群'kumlieni'に属する―というような言い方もできる。いずれにしてもこの個体も3号個体と共に来期の渡来に注目したい。


初列風切の斑紋は左右とも5枚。


 

参考;アイスランドカモメ亜種kumlieni 成鳥冬羽 Larus glaucoides kumleni  カナダ・ナイアガラ 2005.12.9
初列風切の暗色部は5枚で、畳んだ状態では銚子の「2号」「3号」個体の今期の状態と特に変わらず一見カナダカモメ風?に見えるが、開くともう少し白色部が多く、特にP9の外弁の暗色部は白いミラーによって寸断されている。kumlieniの本場の北米東部ではこれくらい〜より白い個体が多い。なおここでは関東よりかなり寒冷地ということもあり、周囲のアメリカセグロカモメやクロワカモメも含め、羽毛を膨らませて体型が丸く見えることが多かった。



アイスランドカモメ亜種kumlieni×カナダカモメ? Larus glaucoides kumlieni X Larus thayeri? 第4回冬羽
1月30日にも観察した“3号”個体。夕方現れて倉庫の屋根に止まった。今回も飛んできた第一印象は十分kumlieniに見えたが、初列風切を詳細に見るとこれも第4回冬羽の現時点では微妙なパターン。


単独の画像ではわかりにくいこともあるが、こう並ぶと背の薄さや嘴の短さがわかる。




このカットでは全体の印象はいかにもkumlieni的。






アイスランドカモメ亜種kumlieni×カナダカモメ? Larus glaucoides kumlieni X Larus thayeri? 
1月30日に観察したF個体と同一。