最新・カモメ情報
 2012.2.13 千葉県銚子市



シロカモメ (おそらく亜種barrovianus Larus hyberboreus (probable barrovianus) 第1回冬羽
2月5日に観察され、小形シロカモメかアイスランドカモメかで話題を呼んだ個体で、実物は今回初めて見ることができた。今回は率直に言って初めから小形シロカモメという印象だったが、しかし確かに標準的セグロカモメよりやや小柄で嘴も小さめなので、2月5日時点ではその時の観察状況よっては今回よりアイスランド的に見えた可能性も十分想像できた。初列風切が白くて嘴の肉色が多いことは、アイスランドカモメとするとkumlieniよりは基亜種glaucoidesに合致するが、嘴基部はglaucoidesでも第1回冬羽ではここまで広範囲が綺麗な肉色にはなっていないことが多い。また、サイズの小ささ・嘴の小ささ・目の大きさ・頭の丸さ・初列風切の突出の大きさ、或いは頭部に対する胴回りの小ささや首の短さ―といった「アイスランド的」な構造上の特徴は、glaucoidesにおいてはkumlieni以上に顕著な傾向があるが、この個体の場合はそれほど顕著ではなく、むしろ一緒にいたカナダカモメと比べても幾分顕著さに欠けるようにも見えた。つまりこの個体は標準的なシロカモメや、周囲のセグロカモメ・オオセグロカモメに比べてサイズの小ささや造りの華奢さにおいてある程度差は感じられるものの、欧米のglaucoides, kumlieni双方と比べた場合には、色彩と構造の両面から総合的に見てどちらにも今ひとつ一致しない印象があり、これにさらに地理的な渡来の可能性の高さも加味すると、やはり小形シロカモメ(亜種barrovianus)と見るのが妥当な印象を受けた。参考に、この個体にかなり色彩面でよく似ていて、かつ足が長めのアイスランドカモメ(glaucoides)の画像がこちらにあるが、これでもまだ嘴の小ささと初列風切の長さにおいて、今回の個体よりアイスランドカモメらしさがよく現れている。一般にヨーロッパのglaucoidesの画像ではそれ以上にわかりやすい形態の個体が多く、また一方で北米のkumlieniの画像を見ると嘴がかなり黒いとか、羽色が濃いといったkumlieniらしい特徴を兼ね備えていることが多い。







 

シロカモメ×ワシカモメ? Larus hyperboreus X L.glaucescens?
この画像では左翼(手前)に右翼の影がかかっていることもあって色調がわかりにくく、一見ほとんどシロカモメのように見える。


しかし実際はシロカモメにしては初列風切の白色部が狭く、灰色部が不自然に多い。


翼を開くと初列風切の白色部は狭く、灰色部との境界がはっきりしているため、飛んできた段階でシロカモメにしては違和感があった。かなりシロカモメ寄りの個体ではあるものの、シロカモメ×ワシカモメと見るのが妥当と思う。

 


シロカモメ×ワシカモメ Larus hyperboreus X L.glaucescens 第2回冬羽
12月17日に観察したものと同一と思われる。以後同じ個体が断続的に観察されている模様。


  


ワシカモメ Larus glaucescens.
ほとんど夏羽に近くなってきた。


 

個体通称名‘デカムリン’ Larus sp.
頭の割に胴が小さく重心が低い印象が目立つので相変わらず一目でこの個体とわかったが、目瞼はやはりオレンジ色味があった。





 

オオセグロカモメ×セグロカモメ? Larus schistisagus X L.vegae? 第2回冬羽
オオセグロカモメとセグロカモメの雑種かと思われる第2回冬羽。画面奥が同年齢のセグロカモメだが、それと背中の色はほとんど変わらず、それでいて顔の造りなどは極めてオオセグロ的。


画面右手前から―オオセグロカモメ、オオセグロ×セグロ?、セグロカモメ、ウミネコ。
背中の薄いオオセグロカモメの可能性も考えたが、こう並ぶとそれにしても薄すぎるかという印象を受けた。


尾羽など飛翔時のパターンは極めてオオセグロ的。




モンゴルセグロカモメ? Larus [vegae/cachinnans] mongolicus?
今期頻繁に目にしている個体で、11日にも観察されている。腹の白さや足の長さなど、かなりモンゴル的に見える要素はあるが、初列風切はさほど長く見えず、尾羽基部も縞が多くそれほどすっきりしたパターンではない。



‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrenisis'
2羽ともタイミルと思われる。後の個体はかなりセグロに近いが、初列風切の白斑の小ささや、ややスリムな体型、頭の斑の出方などがタイミル的。手前の個体は初列風切がまだ伸長中でP8が最長。




‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrenisis'
足はあまり黄色くないが、体型や頭の斑の質などから明らかにタイミル的に見えた。


‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrenisis'
初列風切の黒色部は7枚で面積はかなり広い。ミラーはP10の1個のみで小さい。