最新・カモメ情報 2011.12.20 千葉県銚子市


モンゴルセグロカモメ Larus [vegae/cachinnans] mongolicus
11時過ぎ、防波堤上を左右に流しながら見ていて、上段に立って羽繕中の個体が顔を上げた瞬間が偶然目に入った。その顔と体型や色彩から即座に「モンゴル!」と直感し撮影にかかる。嘴は上嘴・下嘴に黒斑があり、赤斑は下嘴上辺に達していない。頭の斑の量はモンゴルセグロカモメとしてはやや多めだが、大きくぼやけた斑はなく、範囲は側頸〜後頸に偏っており胸は白い。2006年12月の中国での観察では、無斑純白のもの(1羽)からこれより斑の多いもの(複数)まで様々な個体が見られた。上面の灰色はセグロカモメよりやや薄く、アメリカセグロカモメとの中間程度か。足は長くてセグロより淡いピンク。これらの特徴が全体として醸し出す印象はセグロカモメの群中ではかなり異質に感じられた。




初列風切の換羽はほぼ完了している。突然防波堤の後ろに飛び降りてしまったので飛翔は撮影できなかったが、このカットでP4の内弁に長い黒斑があるのが確認できる。通常外弁の方が斑が出やすいので、この個体はP4の内弁・外弁両方に斑がある可能性が高いと思われる。


頸や足が長めで背の高い印象が強く、周囲のセグロカモメ・オオセグロカモメに比べて構造的に異質な印象を受けた。右2羽のセグロカモメの初列風切はまだP8が最長で、換羽が完了していない(ただしこの時期にはすでに完了しているものも珍しくない)。



アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus 幼羽→第1回冬羽
アメリカセグロカモメ及びその可能性のある個体が4-5羽程度見られた。判断の難しい個体もいるが、この個体と下に掲載の個体は比較的よく特徴が揃っていてほぼ問題ないように思われた。成鳥の方が背中や目瞼の色など明快な特徴が多いのでより識別しやすいことが多い。






アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus 幼羽→第1回冬羽



不明大形カモメ第1回冬羽 Larus sp.
前出のモンゴルセグロカモメ成鳥を観察中に防波堤下段にいるのに気付いた。頭から体下面が白っぽく、足は淡色で華奢。特に前から見た印象はモンゴルセグロカモメにも似るが、大雨覆基部が暗色で内側初列風切のウィンドウが不明瞭な点など、‘タイミルセグロカモメ’を思わせるところもある。さらに興味深いのは翼下面が極端に白いこと。肩羽はそれなりに換羽しているが、磨耗はそれほど進んでいない。‘タイミル’かモンゴルの一バリエーション、またはカザフセグロカモメあたりが候補になると思うが、今のところかなり判断の難しい個体と感じた。








不明大形カモメ第1回冬羽 Larus sp.
上の個体に似た別個体。これも体下面が白っぽくて足が長いので、前向きではモンゴルセグロカモメ的に見えた。



こちらの翼下面は縞がありそれほど白くない。


尾羽パターンはモンゴルセグロカモメに似るが、大雨覆が暗色で、内側初列風切のウィンドウは狭くて不明瞭。



シロカモメ Larus hyperboreus (barrovianus?)