最新・カモメ情報 2011.12.5 千葉県銚子市 M.Ujihara

特に午前中カモメ類の数は極端に少なく、礁前、千人塚前には何もいない。午後は漁船の入港があり多少回復してきた。


セグロカモメ(?) Larus vegae(?)
イワシに群がるセグロカモメを撮影していてたまたま写っていた個体。セグロカモメとすると初列風切のパターンが極めて特異で、なんとP10〜P2まで9枚分の黒色部がある(通常は5〜7枚)。撮影時に気付いていなかったので画像はこれ一枚のみ。撮影地を度外視すれば頭の斑の多いモンゴルセグロカモメという可能性も考えたくなるが、日本での撮影ということも考えるとやはりセグロの可能性大か?初列風切の換羽状態はセグロカモメとしては標準的で、モンゴルセグロカモメとするとかなり遅い部類に入る。


 

ワシカモメ Larus glaucescens 幼羽→第1回冬羽
ワシカモメの確認はこれ一羽のみ。前回11月15日のものより暗色。


 

(推定)モンゴルセグロカモメ Presumed  Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽
モンゴルらしい特徴をよく備えた個体だがかなり距離が遠く、この後群れの奥に隠れてしまい尾羽その他の詳細は不明。


 

モンゴルセグロカモメ? Larus (vegae/cachinnans) mongolicus?  幼羽→第1回冬羽
体下面がかなり白く、体型からもモンゴルセグロカモメかと思ったが、大雨覆の外側寄りが暗色で、全体の配色はより典型的なモンゴルセグロカモメに比べて「上面暗色・下面淡色」という対比がやや目立ち、角度や見ようによっては‘タイミル’/ホイグリン的にも見えることがあり多少の迷いを感じた。直後に見つけたカナダカモメを撮影している間に姿を消してしまい、これも残念ながら尾羽その他の詳細は不明。ただし一瞬見えた翼下面はかなり白っぽかったと思う。


左の画像では大雨覆に暗色帯が見え、いくらか‘タイミル’/ホイグリンを連想させる。こうした配色でも、例えばもっと換羽と磨耗が明らかに早ければモンゴルの1バリエーションとして考えやすい。尾羽の黒帯はこの画像では広く見えるが、開くと案外狭いということもよくある。


参考:モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus 2009.12.29 銚子
磨耗と換羽が早い典型的モンゴルセグロカモメ。こうした個体は韓国や中国の画像にも全く瓜二つのものが多く、より確実性が高いが、特に東日本では比較的見る機会が少ない。上面と下面の明暗差は感じられず全体に白っぽい。


 

‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrensis' 幼羽
体型はセグロに近い個体だが、大雨覆が暗色で体下面は淡色傾向。換羽は遅くほとんど幼羽のまま。こちらはモンゴルセグロカモメには見えないが、大まかな色のバランスとしては上の個体に多少似た印象もある。


 

‘タイミルセグロカモメ’またはホイグリンカモメ Larus heuglini ('taimyrensis'?)幼羽
上面の羽縁が狭く、内側初列風切も暗色で、タイミルとしてもかなりホイグリン(heuglini) 寄りの個体。ただし以前の中東のホイグリンカモメの観察では、頸から腹は白地に斑がある感じで、これほど一様ではなくよりコントラストの強い個体が多かった。




 

‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrensis' 
背中の色はさほど濃くないが足の黄色はかなり目立つ個体。






ホイグリンカモメまたは‘タイミルセグロカモメ’Larus heuglini (or h. 'taimyrensis' ?
帰り際に機材を全て片付けた後に飛んできたので面倒だが再度出しなおして撮影。足の色はあまり黄色くないが、中東でもほぼこれに近い色の個体はいる。上面の色は肉眼で見てもかなり濃く、頭の斑は細く明瞭。全体にほぼホイグリン(heuglini)といってもいい特徴が揃っているように見えたが、近くに他の鳥がおらず、しかもすぐに飛んでしまったので十分な比較検討ができず。


 

アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus 第3回冬羽
一様な襟元の斑と淡い背中の色で目についた。虹彩はもっと明瞭に淡色の個体の方がわかりやすいが個体差の範疇か。





アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus
夕方いつの間にか防波堤上にいた。背中と虹彩の淡さが一見してかなり目についた。




初列風切のパターンは白色部がやや多めで、どちらかというと日本には渡来しにくい北米東部の個体群のものに近い。この個体の場合、白色部の多さは明らかにシロカモメが関わった雑種と言えるほどではなく、アメリカセグロカモメの個体差の範囲内といってよいと思うが、特に日本での観察ではもっと黒色部の多い個体の方がより識別上の不安材料が少ないということは言える。



参考:アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus 2011.3.28 皇居
こちらは皇居で観察した黒色部の多い個体で、アメリカ西海岸ではこのようなものが多い。P9のミラーは右翼では小さく、左翼ではない。黒色部は7枚に及び、しかもP4のものも内弁・外弁にまたがっている。セグロカモメの標準よりむしろ黒色部が多い。




カナダカモメ Larus thayeri
午後3時前になってようやく見つけた今季初見のカナダカモメ。




この個体の初列風切の暗色部は5枚で、アイスランドカモメ亜種kumlieniの暗色個体との線引きは難しい。