最新・カモメ情報 2011.11.16 千葉県銚子市 M.Ujihara

カモメ類の数はあまり多くない。第二漁港の防波堤が一番遠い辺りと千人塚前の2ヶ所に群がいたが、“礁前”には数えるほど。シロカモメとカナダカモメは確認できず。ミツユビカモメは飛翔中の成鳥数羽とすれ違った。


 

ワシカモメ Larus glaucescens  幼羽→第1回冬羽
ほとんど幼羽で磨耗もしていないが、肩羽上部が数枚換羽している。現地到着時にいきなり足元にいたのでもうかなり渡来しているかと思ったが、終わってみれば結局この日はこの一羽のみ。
 


‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrensis' 幼羽→第1回冬羽
12日にも同所で同一と思われる個体が観察されている。色パターンはかなりセグロカモメに近い個体だが、大雨覆の基部が暗色傾向だったり、全体的な体型などからも第一印象でなんとなくタイミル的な印象を受けた。


‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrensis' 幼羽→第1回冬羽
同じ個体の飛翔。静止時には脇羽に隠れていてわかりにくいが、飛ぶと上面は大雨覆が暗色帯を形成している。内側初列風切のウィンドウも不明瞭。全体の飛翔形はセグロよりややスリム。尾羽の帯の狭さ自体はモンゴルセグロカモメとオーバーラップしているが、基部の縞はより多い。





モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽→第1回冬羽
上の‘タイミルセグロカモメ’を見失った直後に入れ替わるように飛んできたのがモンゴルだったので驚いた。腹がより白く、尾羽の基部の縞は粗くて少ない。特に最外側羽(T6)基部は無斑に近い。これまでに見た韓国や中国、バイカル湖等の画像、及び2006年中国での観察経験からも、このようなパターンの個体が大多数を占めていたので、それなりに有効な注目点の一つになると思う。また画像だけではわかりにくいが、飛んでいてかなり翼が長い印象を受けた。以下6点同個体。


モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽→第1回冬羽
その後千人塚前の防波堤に現れた。すらりとした体型とコントラストの強い羽色からモンゴルと確信し、後に画像を検証して同一個体と判った。腹部の斑は粗く疎ら。一般に関東で見られる個体は黄海などでよく見られる極端に換羽・磨耗の早いものに比べると識別は難しい例も多いが、それでもこれくらい特徴がよく出ているとセグロとはかなり印象が異なる。


セグロカモメ Larus vegae (左)とモンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus (右)
体型の差異に注目。もちろん個体差等があるので常にこれほど顕著に出るわけではないが、ここでは両者の持つ傾向が特によく現れている。足は淡色で長い。周囲の多数の大型カモメ類と比べてもこの個体の足の色が最も淡く目立っていた。


モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽→第1回冬羽
右のセグロカモメと比べて足と翼の長さがかなり目立つ。


モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽→第1回冬羽
同じ個体。尾羽のパターンは縞が少ないので一見して非常にすっきりした印象を受ける。



モンゴルセグロカモメ Larus (vegae/cachinnans) mongolicus  幼羽→第1回冬羽
同じ個体。T6基部の白さに注意。




モンゴルセグロカモメ(?) Larus (vegae/cachinnans) mongolicus(?)  幼羽→第1回冬羽
別個体。こちらもかなりコントラストが強くモンゴルでよさそうかと思ったが、尾羽は確認できなかった。初列風切のウィンドウは不明瞭だが、P2-4の外弁には明瞭な淡色斑がある。中国や韓国のモンゴルセグロカモメにもこのようなパターンの個体が見られるが、成鳥の初列風切の黒色部が多い傾向から類推するとむしろ全く不自然なことではないと思う。体型は最初の個体ほど顕著ではない。




セグロカモメ Larus vegae  幼羽→第1回冬羽4個体
モンゴルに比べて腹部は一様に茶色い傾向が強く、全体の体型は比較的ずんぐりしている。右下の個体は淡色傾向が強く違和感があったが、といって他にぴたりと当てはまるものもないのでやはりセグロなのかなという印象。



‘タイミルセグロカモメ’ Larus heuglini 'taimyrensis' 幼羽→第1回冬羽
夕方飛んできた。最初の個体よりもセグロとの差が顕著な個体。尾羽の帯はモンゴルセグロカモメより太く、基部は細かい縞が多い。



アメリカセグロカモメ Larus smithsonianus
時間切れであまり詳細は撮影できず。見た限りでは大体OKと思ったが体下面はもっと一様な方がより典型的か。