最新・カモメ情報

2007.3.8 千葉県銚子漁港 
M.Ujihara


カモメ類は引き続き非常に少ない状態が続いているが、見やすいところにカモメが150羽ほど溜まっており、今年もそろそろクロワカモメ(2002年より連続渡来している個体)がいそうな予感がしたので早速探してみる。


ほどなくして「ん?こいつだろ!」と思う寝姿を発見。


顔を上げたらやはり当りだった。このところ毎年こうした寝姿で発見できている。こんな悪条件で何でわかるのか不思議な気もするが、頭の斑の質と範囲、背中の灰色のトーン、微妙な体つきの傾向などが複合的に作用し、顔や風切すら見えない状況でもそれらしい雰囲気を醸し出しているのだろうと思う。


クロワカモメLarus delawarensis (左)とカモメ L.canus kamtschatschensis (右)


カモメ成鳥(左)、クロワカモメ(右)


左からカモメ成鳥、カモメ第一回冬羽、クロワカモメ。




寝ている時間があまりに長いので昼頃に切り上げて他へ移動。3時頃から再度戻って探したが見つからなかった。



ホイグリン(系?)カモメ Larus heuglini ('taimirensis'?)
heuglini'taimyrensis'の厳密な線引きは難しいところだが、とりあえず2005年のオマーンでのホイグリンカモメの群の観察でもこれによく似た個体をよく見かけた。


初列風切に淡色のwindowは見られず、外側大雨覆も暗色。左翼の淡色部はP3が抜けているために内弁が露出しているもの。




ワシカモメLarus glaucescens
ワシカモメは前回に引き続きあちこちでよく見かける。今回はこの成鳥夏羽が足元で見られ、なかなか綺麗だった。



眼瞼はセグロカモメの赤と異なりピンク〜紫っぽい。口角も同じ系統の色。



ワシカモメの初列風切の色は、セグロカモメなどと見分ける上での一般的な説明としては、「背中の色と同じような灰色」ということになるが、もう少し詳しく言うと実際には背中と全く同じ色ではなく、それよりいくらか濃いグレーになっている。そしてさらに、光線状態や見る角度では一見かなり濃く見えることがあり、特に写真では実際に見た印象よりかなり濃く写ってしまうこともある。上の三枚の画像は全て同一個体だが、初列風切のグレーの濃さが状況によりいかに異なって写るかがよくわかると思う。

ワシカモメはアメリカ西海岸ではアメリカオオセグロカモメ(L.
occidentalis )との交雑がかなり見られ、また極東地域ではオオセグロカモメともいくらか交雑しているようなので、初列風切の色が明らかに濃すぎる場合は雑種の可能性を考える必要があるし、実際に雑種と思われる個体を見かけることもある。以前サンフランシスコを訪れた時には、アメリカオオセグロカモメとの雑種があちこちで見られた。しかし一方で、交雑が(場所によっては)かなり多いという話が広く知られているだけに、逆に上記のようなちょっとした光線状態や個体差等によってたまたま濃く見えているものが、誤って雑種と判断されてしまうケースもかなりあるのではないかと思う。したがってこのあたりは1枚の写真よりもなるべく多くの写真や現場での観察に基づいて判断するのがいいと思う。



シロカモメ L.hyperboreus
シロカモメも相変わらず多い。



シロカモメXセグロカモメ(?) L. hyperboreusXL.vegae(?)
最近同じあたりで何度も見ている個体。この手のシロカモメ系雑種は片親がセグロカモメではなくアメリカセグロカモメ(smithsonianus)という可能性もあると思うが、そのどちらかは外見からは判りにくい。



カナダカモメL.thayeri 成鳥 (87A)
夕方4時頃、群れの左端にいつの間にか降りていた。カナダカモメはもう1羽第3or4回冬羽がはるか遠くにいた。


カナダカモメ成鳥(87A)