最新・カモメ情報 2005.4.10 酒匂川 M.Ujihara



セグロカモメ Larus vegae
これは問題なくセグロカモメの夏羽だろうと思った個体右の三羽を見てもわかるように、この時期でも完全な夏羽は意外に多くない。


上と同一個体。P5の黒斑は細くて二つに割れていて、P4は無斑。



セグロカモメ(vegae)

夏羽個体で、しかもすでに初列風切や雨覆が磨耗しているのでモンゴルカモメか?と思って注目したが、初列風切の黒色はP5まで6枚分で、しかもP5の斑はかなり細かった。繁殖地からのデータ(Yesou 2001)によれば、黒6枚パターンはモンゴルカモメとすると少数派で、セグロカモメなら典型的と言える。全体的な形等はどちらでもありうる範疇のように思うが、モンゴルでは嘴や翼がもっと長い傾向は一応あるかなとは思う。ということで一応早く夏羽になったセグロカモメだろうか。早い夏羽への移行や磨耗は南の種/亜種に見られる傾向だが、時にはその個体の健康状態や生活態度(?)によっても早く磨耗することもありそうにも思うので、この辺がなかなか難しい。さすがに四月の成鳥ははかなり難しい個体も多い。






嘴に大きな黒斑がある個体。初列雨覆、尾羽も無斑のようで、ミラーも普通なので特に若いというわけでもなく、たぶんこういう成鳥なのだろうと思う。脚は純ピンクでもなく少し黄色味が入っているようだった。初列風切の黒はP5まで6枚分。初列パターンと時期的に頭の斑が減っていることも考えればセグロカモメでもいいかもしれないが、「ややホイグリン系?」のようにも見える。モンゴルカモメの可能性もゼロとは言えないがあまり高くはないか?




脚がかなりはっきりした黄色、頭はほとんど白くて嘴に黒斑がある。一番近いのは夏羽になりつつあるホイグリン系の♂タイプの大きな個体?と思うが、モンゴルカモメの脚の黄色い個体?と言えばそのようにも見える。秋から冬は初列風切の換羽状態が参考になるが、春にはそれがないので余計難しい。カザフキアシセグロカモメBarabensisにも似てはいるが、barabensisは日本から見るとモンゴルカモメ、ホイグリン(系)カモメの繁殖地を挟んでさらに向こう側という位置関係になるので、やはり近い方の可能性を先に考える必要があると思う。少なくとも中東で越冬するbarabensisに関しては頭の斑はこの時期まで残らないのが普通だと思う。