Barabensisの脚の色について
 2005年4月 M.Ujihara

Barabensisの脚の色について話題になっているところがあるようなので、一応Olsen 2003の「Gulls」から脚の色の記述を抜粋してみた。もちろん英文を訳しているので訳しようによって微妙なニュアンスは違ってくる可能性もあるが。






脚の色は変化がある;
黄色、橙黄色、またはグレーっぽい肉色。概してcachinnansより深い黄色。


2月のインド


鮮黄色36%、鈍い黄色45% 肉色14% グレー4%

6月の北部カザフスタン(分布域の南側)

肉色、グレー、黄色、が均等な割合。

夏羽の脚の色

鮮やかな黄色で指/水掻きの方は時々オレンジがかる。

分布域の南の方(北部カザフスタン)では変化が多く、薄い黄色や地味な黄色〜肉色など、すなわちcachinnansに似る。

冬羽の脚の色

大部分が黄色。しばしばグレーがかる。稀に肉色がかる

※Barabensisの脚の色について、何を参考にされたか知らないが、「全体的には黄色くないのが多いようだ」と言っている人もいるようだ。「必ずしも黄色いとは限らない」というところまでならまあどうにか理解はできるし、実際オマーンでも冬羽に近い個体ではグレー調の地味な色の個体もいた。しかし「全体的には黄色くないのが多い」と言ったのでは、barabensis全体の中でも黄色くない個体の方が大多数だと言っているように聞こえる表現であり、これは全く解しかねる。私がこれまで見てきた様々な写真、オマーンでの観察経験、そしてこのGullsの記述、どれから考えても「黄色くないのが多いなどとはとてもではないが言えない。ある程度例外があるのは当然としても、barabensisはアジアのこの仲間で最も脚の黄色い亜種と言って差し支えないはずだ。

ちなみに、こういう「何色が何%」という記述を見ると、それぞれの色の個体がキッカリ分かれて存在しているようにイメージしてしまうかと思うが、実際はそうではないと思う。例えば「肉色(flesh)」という色は非常に曖昧な色であって、ピンクに近い肉色もあれば、黄色に近い肉色もあるだろう。また純ピンクの個体と並べば「黄色く」見え、まっ黄色と並べば「ピンク」に近く見えうる。また光線状態、観察者の色彩感覚、言語感覚によっても表現が変わってくることは大いにありうると思う。したがってこの辺もあまり読んだままを鵜呑みにしない方がいいだろうと思う。