mongolicus? 成鳥冬羽 2004.11.5 神奈川県小田原市酒匂川 ※以下5枚同一個体



11月5日にして初列風切は換羽がほぼ完了している。これはオオセグロカモメの標準よりむしろ早いので、mongolicusとしても早めの部類に入るだろう。嘴の色はかなり地味で、赤斑とともに黒斑がある。頭の斑はmongolicusとしては多い方になるが、質はvegaeよりやや線/点状の傾向が強く、上背は白い。一般にmongolicusを含めキアシセグロカモメ系の亜種は冬季にも頭が白いイメージが強いが、実際は冬羽の期間が早くて短いというのが本当の所だろう。michahellisにしろ何にしろ、晩夏や秋の写真を見ると意外に斑がしっかり出ているものが多い。atlantisではフードを被ったいようにびっしりと密な斑が出るのが知られている。
以上の点からこの個体はmongolicusとして問題ないかと思われたが、初列風切のパターンを確認すると黒斑はP10−P5までの6枚のみだった。この点は多くのmongolicusとは異なっているが、Yesou2001のバイカル湖での調査結果によると黒6枚の個体は6%で、単純計算で約17羽に1羽くらいはいることになる。なかなか微妙なパーセンテージなので判断が難しいが、換羽の早さなど他の特徴も合わせて考えると、やはりこの個体が黒6枚のmongolicusである可能性はありそうだ。

P10はごくわずかに短いが、ほぼ完成といって差し支えない状態。セグロカモメ・オオセグロカモメ含め、ここまで換羽が進んだ個体はもちろんこれ1羽のみだったので、飛んできた時には非常に目立っていた。

▼換羽状態の比較

同日のオオセグロカモメの標準的な換羽状態
P8が一番長く、P9とP10はまだ進展中。完成にはもうしばらくかかる。

同日のセグロカモメvegaeの標準的換羽状態
少なくともP10とP9の2枚が旧羽。普通このようにオオセグロカモメよりかなり遅い。ちなみに特にこの時期は頭部が冬羽になった状態でも嘴は比較的鮮やかなままの個体が多い。傾向としてmongolicusより胸のあたりに柔らかい斑が多い。

同日のウミネコ
ウミネコは換羽が早いのでさすがに9割以上の個体で換羽を完了しているが、探してみると中にはこのように未完了の個体も何羽か見つけられた。この個体は上のオオセグロカモメと同程度の状態。右に半分写っている個体は完了している。