最新・カモメ情報 2003年3月18日 千葉県銚子市銚子漁港のアイスランドカモメ 第二回冬羽

平日なのにバードウォッチャーがやけに多いと思ったら対岸に何か出ているらしい。ついでにもう一種増やしておこうということなのか、来る人来る人アイスランドはいますか?と聞いてくる。「いませんよ」と答えて代わりにカナダカモメを教えたが喜んでもらえたかどうか? 5時を過ぎてバードウォッチャーが一人もいなくなったとたん出て来たのがこのアイスランドカモメ。たまたま遠くにいるkumlieni風雑種?第2回冬羽を見つけて観に行って引き返す途中このアイスランドカモメに出くわした。薄暗くなりかけていたが、そのシルエットだけでアイスランド!!とわかるほどにわかりやすい個体。このようにはなから終日カモメだけをやるつもりで毎週通い、朝から暗くなるまで礁前で粘ってもそう簡単には出会えないのがアイスランドカモメ。ちょっとついでに観ていこう、というわけにはなかなかいかないかも知れません。またこのところ当地を訪れる人が特に多くなっています。現地では地元漁業関係者の迷惑にならないようご配慮下さい。特に水揚げのある日には作業や運搬車の通行の妨げになったり、あるいは思わぬ事故が起こる可能性もありますので十分注意して下さい。
 
ちなみにここ数年の観察から、カナダカモメは銚子近海では数十羽単位で越冬しているのではないか?と推測しているが、それでもあの何千羽というカモメ類の大群を1日見つづけても1日に見つかるのは1〜3羽といったところで、カモメ全体が少ない日にはゼロということもある。つまり「いつものカナダ」のように居着いているのは一部で、個体は日々入れ替わるが、その中には十数分現れてそれっきり2度と会えないままという個体もかなり多い。
 一方アイスランドカモメはその繁殖分布(カナダバフィン島とグリーンランド)から想像されるよりは、日本には意外とそこそこ渡来しているのでは?という感触は持っているのだが、しかしとはいえさすがにカナダカモメより遥かに少ないことに変わりはなく、数にしてカナダカモメの10分の1?くらいではないかと思っている。また銚子はいわゆるアラスカシロカモメ(barrovianus)と思われる小型のシロカモメが多いところで、識別にはかなり注意を要する。特に「頭が丸い」「翼の突出が大きい」といったアイスランドカモメの特徴を言葉の上で当てはめようと思えば当てはまってしまうようなシロカモメは結構観られるので、できるだけ多くの個体を観察し、従来の図鑑や文献によく書かれている特徴以外の要素も全て考慮に入れて総合的に判断する必要がある。なおアイスランドカモメはカナダカモメに非常に近縁なため構造はよく似ており、「小さいシロカモメ」というより「白いカナダカモメ」といった方がいいように思えることも多い。
 慎重を期してシロカモメではないか?、とした個体の中に大きめのアイスランドカモメが混じっているのではないかという可能性はゼロではないかも知れないが、今のところそれぐらい慎重にしたほうがいいのではないかと思う。






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