(無題)
「……服以外では見分けがつかないほど、そっくりだとは思いませんでしたよ………」
「何も言わないでくれ、柳川君………。で、セリオは運転出来そうか?」
「サテライトサービスは利用出来るようですよ。セリオ、代わってくれ」
「………ドライビングプログラム、ダウンロード終了………実行します」
双子の冴えないおじさんと女子高校生とジゴロ。傍から見れば、そんな感じだろうか。
ともすれば、援助交際でもしている様に見えるかもしれない。
………足元に、有象無象の銃器が転がってなければの話だが。
「長瀬主任。自分は何をすれば良いのでしょうか?」
「1人でも多くの人に、1秒でも早く武器を供給する。それでは不満か?」
白衣を着たほうが、銃器を手にとりながら彼に答える。
「………何故、『保護する』ではないのでしょうか?」
「103人」
「………は?」
「『彼』に、公式に『招待』された人の数だよ。……君を含めてね」
「まぁ最も、アンドロイドを人として数えていいかどうかは別としてね」
そう言って、笑みを浮かべる長瀬主任。
「皮肉を聞いてる暇はないんです」柳川は真剣な目をして怒っている。
「しかし柳川君。現実として、100人以上の人をどうやって保護するんだい?」
2人のやりとりを横目で眺めていた長瀬刑事が、けだるそうに口を開いた。
「長瀬さん………」
「なるほど、『さん』と『主任』で使い分けるわけか」
そう言い、ニヤリと笑う長瀬刑事。「まぁ、少し落ち着くんだね」
………やはり、似ている。柳川はそう感じた。
(人をくったような態度まで、似ているとはね……。後3人も、同じような人がいるとは)
柳川は、セリオと呼ばれたロポットを見る。
こいつはロボット。だから人ではない。……ならば俺は?
そう、俺が長瀬主任に対して怒った理由はそれだ。決して警察官としての正義感ではない。
おそらく主任は、よく出来た部下を持ってるじゃないかと考えているのだろうが、
………そうではない。
(いわゆる、モンスターと呼ばれる生き物がいる………)
(アンドロイドを、人として数えていいかどうかは別として………)
俺は一体、何者なんだろうな。柳川はそう思った。
【ジープ、快調に走行中。助手席に柳川。後部座席に、長瀬主任と長瀬係長】
【後部座席足元に、様々な銃器。それとは別に、柳川&係長はニューナンブ所持】
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