貧乏くじ
一体、誰が二手に逃げれば追いかけられる確立は50%になるって言ったのよ!?
っていうか何で私がこんな目に会わなきゃいけないのよ!?
ドン!!
ギシ!!バキ!!
グラ!!
「ヒ〜〜!揺らすなー!」
アイドルなのよ?緒方理奈なのよ!?私は!!
《数時間前の回想》
「何?今の放送?」
「さあ?」
由綺困惑顔をしている。
「冬弥くんを追ったほうがいいかも・・・」
「どうせ演出でしょ。ほっときなさいよ」
実際、TVでもこの手の演出やどっきりは日常茶飯事だから、そんな怖がること無いのにオーバーねー由綺ちゃんは。
「でも、もし本当だったら・・・」
だー!!しつこいな!
「大丈夫だって」
そこで兄さんに習った営業用満身の笑み。
「理奈ちゃんは平気なの?」
私は檻となってる金網の前にある手すりに腰を預け、
「ぜーんぜん、平気よ。だって業界・・・」
??。
由綺の表情が変わった?
それに私の後ろ見てる?
「ん?」
後ろをみたら、金網の向こうは広がってるはずの森が石の壁になってる?
「んん?」
そして、一陣の風。
ごしゃっ!!
あ、金網が石になった。
上をみたら、さっき私達が見てた奴
えーっと・・・、名前はゴーレムだっけ?
「理奈ちゃん逃げて!!」
放送は本物!?
「早く!!」
言われなくっても!!
結構走ったけど、ゴーレムはしっかり追っかけてきてる。
息を切らせながら、由綺が
「はぁ・・はぁ・・ねえ・・・理奈ちゃん」
「ぁ・・はぁ・・何?」
「逃げる時、ジープで、逃げた方が・・・はぁ」
「使い方、はぁ、解らないわ」
「そっか・・はぁ・・・」
お互いにもう体力が持ちそうにないわね。
「この先、分かれ道、だって、どうするの?」
このままじゃ、私も由綺も・・・
「二手に分かれましょう、そうすれば片方は、追いかけられずにすむわっ!」
「じゃぁ、私は右!」
由綺は右か・・
「私は左ね」
私と由綺は分かれ道に差し掛かって
「じゃね!!」
「無事でいてね!」
そして、別れた。
それでも私は走った。
ちょっと経ってからちょっと後ろを見てみると
「げっ!」
しっかりついて来てる!!
それも距離が離されてない!!
迷うことなく私を選んだのね・・・。
嗚呼、人気者は辛い・・・。
あ・・・、看板がある・・・。
「・・・この先行き止まりぃ〜!?」
やばい!!本格的にやばい!!
どうしよう・・・って思ってるうちに、行き止まった・・・
「はぁ、どうしよう・・・はぁ。そうね・・・ゴーレムだから重くて木に登れないはず!!」
この木なら大丈夫そうね。
私は木に手をかけた
「結構、木登りって簡単ね」
これくらいでいいかな?
ゴーレムも下に来ちゃったし下手に動くのも、ね・・・・
「ん??腕なんて振り上げてなにするんだろ・・」
まさか・・・。
ドン!!
「やっぱり〜〜!」
《回想終了》
という感じで私は木の上にいるんだけど。
「これは、貧乏くじでじり貧よね」
ドン!!
グラグラ!!
メキメキ!!
「傾いた〜〜!」
ほんと、なんで私だけこんな目に会わなきゃいけないのよ〜〜!
いつもいつも貧乏くじ!!
由綺は何をやってるのよ!?冬弥くん、兄さん助けて!
手が痛いよ、体が寒いよ・・・。
「困ってるようだな?」
「?」
そこには、大鎌を携えた赤い髪の女の子が浮いていた。
「あたしはエビル、助けてあげようか?」
【緒方理奈、エビルと接触、所在地不明】
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