迷走



「あ、ああ、ど、どうしよう、わ、わたし!!」
疾駆するジープの中ハンドルを握り締めて慌てまくる彼女、桜井あさひがいた。
「落ち着きなさい! どこかに運転を自動から手動に買えるスイッチがあるはずよ、それを探しなさい!!」
後部座席、最も運転席から遠い位置から女医、石原麗子が叫んだ。
蝉丸ら強化兵すらしのぐ戦闘能力を密かにもつ彼女ならば、この程度の危地はどうという事はない。
しかし、彼女をもってしても、全力疾走のジープの上を落ちないように、しかも、
前と隣にいる同乗者達を乗り越えて運転席まで移動するのは難しかった。
どうせオートで運転されるものならば誰が運転席に座ろうがどこに座ろうが同じ、とお気楽に見た自分を呪う。
「す、す、す、スイッチですか、えと、えと」
「こ、これ、これで、よきっと」
ドモリながら目を泳がせ落ち着きを取り戻せないドライバーに真後ろの席から舌をかみそうな口調でアドバイスしたのは
柚木詩子、しかし、その声を聞いてもあさひは、目当てのボタンを見つけ出せない。
「ああ、もうじれったいなぁ!」
遂に、たまりかねたかのように隣の席の女性江藤結花が、何とかスイッチに触れようと手を伸ばした。
「もうちょい、もうちょい・・・やった! と、とととぉ!!」
「危ない!」
かろうじてスイッチを押すことに成功した彼女だが、身を乗り出した彼女はバランスを崩して落ちそうになり
麗子によってささえられて何とか助けられる。
「すいません」
「気にすることはないわ、それよりも運転席の貴方、早くブレーキを!」
「え、え、あ、はい・・・・・・これかな?」
慌てて足元のペダルを踏みつけるあさひ。
ぎゅぃぃぃぃ!甲高い音を立てて急ブレーキがかかり、ようやくジープが停止した。

「あいたたたた」
後部座席で頭をさする詩子、どうやらあまりの急停止の勢いでつんのめり頭をどこかにぶつけたらしい。
「とりあえず、何とか止まったみたいねぇ」
「は、はぃぃ」
ほっと胸をなでおろす一同、だが、ずいぶんと長いこと走る羽目になったのは確かだ。
「いったい此処はどこら辺なんですかね」
いまだ痛む頭をさすりながら詩子が訪ねる。
「さぁ、ずいぶんと遠くまで来た事は確かだけれど」
「と、とりあえず、こ、これからどうしたら良いんでしょうか」
「そうね、まずはこの車を使って戻れる所まで戻る、それが一番ね」
とりあえずジープに乗っていれば獣に襲われる可能性はぐんと低くなる。
それを考えての発言であった。
「あとは、何か武器になりそうなものは、と」
そういいながら後部座席を探る、どうやらトランクにつんで会ったらしいショットガンが二丁見つかった。
「ふむ、コレは使えそうね、誰か獣を扱える人はいる?」
しかし、麗子の質問に首を縦に振る人間はいなかった。
「しょうがないわねぇ、じゃぁ、私がもつしかないか、誰か運転を頼める?」



【桜井あさひ 石原麗子 江藤結花 柚木詩子、暴走するジープによって、スターと地点からかなりはなれたとこまで運ばれる。】
【所持品:ショットガンを発見】




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