目覚め


干し肉とビスケットという、簡単な食事でも、お腹に入れば、元気が出てくる。
千鶴を先頭に、志保、御堂は森を出発した。
森の中は静まり返っていて、鳥のさえずりさえ聞こえないが、モンスターがいるという事さえなければ、
ハイキングとしては、悪いものではなかった。
現に、志保などは鼻歌混じりに歩いている。それとは対照的に、ブツクサ言っているのは御堂だ。
「ちっ、こう湿ってちゃあ、調子が出ねぇぜ……ぐわあああっ!!」
いきなり御堂が絶叫したので、志保と千鶴はぎょっと振り返った。
「ど、どうしたんですか、御堂さん!?」
「い、いや…濡れた枝に、顔突っ込んじまってな」
「なーんだ。オーバーねぇ」
呆れたような顔の志保に、御堂は眉根を寄せる。
「…いい機会だから、お前らに言っておく。本当は、こんな弱点を晒すような真似、したかねぇんだが。
…俺は、水に弱い。川を泳ぐのはおろか、雨に濡れたり水を被っただけでも、ダメージを受ける」
「……そうなの?」
「それは……だから、雨が降りそうになった時、慌てて雨宿りの場所を探したんですね?」
「ああ。これは、お前らが敵じゃねぇと思ったから、打ち明けんだぞ。絶対他の奴らにはしゃべんじゃねーぞ」
神妙な御堂の顔に、志保と千鶴は顔を見合わせ、頷いた。
「さーてそれじゃあ、さっさと行きましょっか!」
「……お前、ほんっとうにわかってんのか……?」
何事もなかったかのように、てくてく歩き出す志保に、御堂は嘆息する。
千鶴は苦笑しながら、そっと御堂に耳打ちした。
「……御堂さん、取り合えずホテルに向かうとして、そこから先はどうしますか?」
「前にも言ったが、俺の目的は犬飼だ。適当な所でずらからせてもらう」
「そうですか……」
森の出口を目指し、三人は歩を進める。



【志保、目がさめる】
【御堂、千鶴、志保は、ホテル目指して出発開始】





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