いまだ竜の巣


「さて、どうしたものかな」
 竜の巣出口まであと0kmと書かれた看板を抱えて祐一がつぶやいた。
「あと10kmも歩くしかないのか……」
「それしかないな」
「それしかないか……」
祐一と北川は壊れたジープの上で途方にくれていた。
あたりにはゲームの世界そのままの光景が目の前に広がっている。
さっきまであんなに楽しみだった光景なのに、今は恐怖の対象でしかなかった。
「ドラゴンだらけのモンスターハウスを10kmも歩いて横切るのか」
 祐一が空を見上げると、ワイバーンやワイアームが空を飛んでいるのが見えた。
「最悪のゲームバランスだよな」
 北川が左右を見まわすと、ファイアドラゴンが歩きまわっている姿が遠くからでもよく見える。
 はっきり言うと、今生きているということ事態が奇跡であった。
「さてと、そろそろ歩くか」
「というか、走った方がいいかもな」
 北川が背後を指差す。
 祐一がその先に視線をうつすと、そこには二人を眺め、よだれを垂れ流す竜が一頭。
「どうすればいいんだ」
「さあな」

 命がけの鬼ごっこの幕開けであった。



【祐一・北川 ジープ放棄】
【二人は竜の巣出口を目指して出発】




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