天より降り来るもの


「で、どうするんですかーっ」
涙交じりの声で理緒が叫ぶ。
「さて、どうしたものかな」
落ち着いた声で、返答する英二。
隣にいる青年は、先程聞いた話によれば電波とやらを使って人を操ったり色々な事ができるらしい。
信じられない話だったが、簡単な実演までされてしまった以上信用するしかなかった。
常人にはない能力への畏れというのは不思議と沸かなかった、普段からTVでその手の特番にならされていたおかげだろう。
実際役に立つ能力だし、今はなんであれ”力”が必要とされているのだから。
だが、目の前にいるキノコ人間にはそれが効かない、つまりは唯一とも言うべき戦力も今は封じられたというわけだ。
金髪少女レミィが,何処から持ち込んだのか弓矢を敵に向けてはなっている。
しかし、それもたいしたダメージは与えていないように見える。
ここは、逃げの一手かな、うん、それがいい。
そう結論を出し、皆に呼びかけようとしたそのときだった。
「焼き尽くせ、炎よォ!!!」
そんな声とともに、天から炎の塊が振ってきた。
「なんだこりゃ」
英二は、そのあまりの驚きからそんな声をもらす、他の三人も同様だ。
巻き起こる砂煙と熱風、それが治まった頃、半径2mほどの焼け野原が出現していた。

その中心地、既にあのキノコ人間も胞子も影も形もなく、陽炎ゆらめく中人影一つふらりと立ち上がり。
「なんだ、他愛もない」
その第一声がこれであった。
声からは男性とも女性ともつかない、何処となく中性的な雰囲気を漂わせていた。
「あ、あれはイビルネ」
「レミィさん、だったっけ、君のお知り合いかい?」
「前に出会ったことのある悪魔ですよ」
「青年・・・君、いや、君達か・・・は、ずいぶんと交際範囲が広いようだね」
まったく、今日はなんて日だ。
自分が今まで生きてきた世界の価値観、常識が一瞬で崩れ去る感覚に目を回しそうになりながら緒方英二は心の中でそう呟いた。
「おい、お前等」
何時の間にか、こちらの方へと歩み寄ってきていたイビルがそんな声をかける。
「ん、お前等どこかで見た顔だな」
そう言って無遠慮に全員の顔を眺め回し、月島拓也のところでその目をとめた。
「ああ、そうか、この前ひなびた温泉地に出稼ぎに言ったときに見かけた電波使いの兄ちゃん達か
 なにやってんだこんな所で、モンスターに襲われてたみたいだけど」



【月島拓也、緒方英二、宮内レミィ、雛山理緒、イビルと出会う】
【緒方英二はイビルの性別を明確には知らない】




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