男の約束



  カタカタカタ
 キーボードを叩く音が部屋に響きわたる。
「これでどうだ!」
 俺は最後のキーを叩きつけるように押す。
 ビー!と言う警告音が目の前のパソコンから発せられる。
「クソ!」
「調子はどうだい?」
 耕一さんが俺に話しかけてきた。
「ダメですね。外部との連絡用回線がロックされてます。解除キーを入れないと無理みたいです」
「そうか………」
「でも、島内の様子はおおよそ掴めました。耕一さん、ちょっと見て下さい」
 俺はディスプレイに島の地図を表示させた。
「今俺達が居るのがここです」
 ディスプレイ上の一点が赤く点滅する。
「そしてここがこの島の管理施設のはずです」
 別の地点が青く光る。
「ここを押さえられれば島のモンスターの暴走を止めることも可能なはずです」
「なるほど」
「どうします?」
 俺は耕一さんに問いかける。
「決まってるじゃないか。その管理施設に行こう」
「でもかなり危険ですよ。見ての通り近くに恐竜公園があるんですよ。ここを通らないことには……」
「それでも俺は行かないと。千鶴さん達を助けないといけないしな」
「そうですね、それじゃ早速」
「おっと、住井君はここに残るんだ」
 俺が言葉を続けようとする前に耕一さんがそう告げた。
「何でですか!」
 思わず大声を出してしまう。
「どうしたの?大きな声出して」
「何かあったんですか?」
 俺の声が聞こえたのか美坂さんと郁美ちゃんが部屋に入ってくる。
「彼女達を連れて行くわけにはいかないだろう?住井君はここで彼女達を守っててくれないかな」
「でも一人で行くなんて無茶ですよ」
「それなら心配はいらないよ。俺は普通の人間じゃないから」
「でも………」
 まだ納得のいかない様子の俺に耕一さんが言葉を続ける。
「俺は俺一人の身を守るくらいなら十分に出来る。でも住井君達を連れていくと俺自身が危なくなるんだ」
「うぐっ」
 それを言われると辛い。
 確かにここに来るまでに襲ってきたモンスターを倒したのは全部耕一さんだった。
「だから、ここは俺を信じて任せてくれないかな。俺も住井君を信じて香里さん達のことを頼むから」
「………分かりました。こっちのことは俺に任せて下さい」
「あぁ、よろしく頼むよ」
 耕一さんはそう言うと右手を差し出した。
 俺も右手を出して耕一さんの手を握った。
「あの二人何の話してるのかしらね?」
「さあ?何なんでしょうね」



【耕一 管理施設を目指す】




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