愛に死す?
国崎往人は絶体絶命の危機においこまれていた。
彼がほんの少し目を離した隙に晴子が人体標本の化物に変身していたので、
「晴子、おまえ・・・
・・・着痩する方だったんだな・・・」
と言いながら肩を叩いた所、強烈なツッコミで吹っ飛ばされて組敷かれてしまったのだ。
(くそ!ギャグパートが死に繋が・・・
・・・もとい、洒落の為に死ぬなんて冗談じゃないぞ・・・)
往人は、自分の首を絞めようとする化物の腕を必死になって押し返そうとする。
力は互角といった所だが、相手に上を取られている以上部が悪い。
「にゃぁ〜!お兄さんを離してください〜!」
千紗が転がっていたジュースのビンで必死に怪物の背を叩いているが、
ダメージになってない以上、上から下への攻撃は、往人にはかえって逆効果だった。
――どんっ!どんっ!
(腕が・・・痺れる・・・)
『やめてくれ』と言いたい所だが、今の往人には僅かな声を発する余裕もない。
怪物の背を叩かれる度に、衝撃が往人まで伝わってきてジリジリと追いこまれていく・・・。
「にゃぁ〜!」
――どんっ!どんっ!
「お兄さ〜ん!」
――どんっ!どんっ!
(・・・や、やばい、
これ以上は・・・・・・)
「にゃぁ〜!千紗が、千紗がいけないんです〜〜!!
千紗がお財布を落した所為でお兄さんが!!」
――がくぅーーっ・・・
とどめ。
ここに到るまでの全ての過程がギャグであると言う事実は、
一瞬、往人のやる気を奪うに十分な物であった。
「がっ!」
「にゃぁ〜〜〜っ!!」
容赦なく伸びてくる怪物の腕が、ついに往人の喉を捉えた。
【国崎往人 千紗の財布を探している間に取残される。】
【塚本千紗 元美汐グループ。ジープ転落の際に落した財布の捜索中に、往人と合流】
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