えーと…
「でもこの子、見かけによらずたくさん、というより、異常に食べるんですよ。」
「雪ちゃん、異常ってひどいよ〜。私は食べるのが好きなだけだよ〜」
「でも、普通の女の子はカレー6皿も食べないでしょう」
「6皿ぁ?」「っ!?」
ううっ、梓さんも弥生さんも驚いてるよ〜。
「まったまたぁ」
「面白い冗談ですね」
ううっ、本当だなんて言えないよ〜。
来て良かった。まだまだ外を歩くのは怖いけれど、こうやって少しずつ慣れていかないと。
初めはちょっぴり恨んでいたけれど、無理矢理連れ出してくれた雪ちゃんには感謝しなきゃね。
とてもリアルらしいモンスター達を見れないのは残念。
でも、雰囲気だけでも、人と話してるだけでも、十分楽しい。
それに、浩平君も来ているらしいから、会えたらいいな。
「そういえば篠塚さんは、森川由綺さんのマネージャーをされているのですよね?」
「はい、そうですが。」
「じゃあ、もしかすると、由綺さんも今日、ここに来ているんですか?」
雪ちゃん、意外とみーはー?
「それは・・・」
―その時、園内に放送が響き渡った―
「えっ!」
どういうことだろう?リアルリアリティ?防犯システム?
考えてる暇も無く、突然、私達の乗っているジープが猛スピードで走り出す。
「ブレーキっっ!!」
「駄目!間に合わない!」
ぼふっ、と軽い音をたてて、ジープが柔らかい何かにぶつかる。
「あぅっっ。 ・・・・ううー、痛いよー」
どうやら私は外に放り出されたようだ。おでこが少し痛いけど、怪我は他にないみたい。
そうだ、他の皆は大丈夫だろうか。
私が立ち上がって皆を呼ぼうとした時、
ポカッ。
誰かが私のおでこを軽く叩く。
「痛いよー。雪ちゃん? いぢわるしないでよ〜」
「みさきー? 大丈夫ー?」
雪ちゃんの声が向こうの方から聞こえる。
じ、じゃあ、この人は誰? 弥生さん? 梓さん?
ポカッ。ポカッ。
「誰だか知らないけど、やめてよ〜」
「みさきっ? 大丈夫なのっ? ・・・えーと、みさき、その子は何なのかしら?」
「私が分かる訳ないよっ。」
「みんなっ、大丈夫? って」
「皆さん、無事で・・・」
梓さんも、弥生さんも、一体どうしたの。
「雪ちゃん!説明してよー」
「えーとね、おかっぱで、着物を着た、日本人形みたいな小さい女の子がね、みさきのおでこをポカポカしているのよ」
「ええっ?」
「座敷童」
「「「えっ」」」
弥生さんの言葉に、三人の声がハモる。
「このパンフレットによると、その女の子は座敷童のようです。川名さんが自分の家を壊したと思って怒っているようですね」
「「「えーと・・・」」」
【みさき・雪見・弥生・梓、座敷童と遭遇。この座敷童は人間とは話せないようだ】
【座敷童】・・・東北地方に多く伝承の残っている子供の妖怪。といっても悪さはせず、居着いた家に富と幸運をもたらすと言われている。
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