ワンダリングガールズ
「お互い、とんでもない事になっちゃったね。」
少女、観月マナが、一緒に歩三人に話し掛ける。
「「……」」
気まずい沈黙、マナはため息をついて改めて同行者たちを見直す。
一人目、水色の髪の少女、マナが聞き出したところによると名前は月島瑠璃子。
二人目はおかっぱ頭の少女、同じく聞き出した名前は柏木楓。
以上、二人とも気落ちしているのだろう、さっきから一言も喋らない。
マナは、それを何とか元気付けようと話し掛けるのだが、帰ってくるのは沈黙ばかり。
それでもマナは話し掛け続ける、彼女たちを思いやって、ではない。
自分自身を支える為に、だ。
何か話していないと、考えてしまうから、これからのことを。
逃げ場の無い絶望的なこの状況から逃れたい、只、それだけのために、彼女は口を開くのだ。
そんな彼女の気持ちに気づいたのか、楓が口を開いた。
「マナさん」
「え、え、なになに?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと助けは来ます。」
「え・・・・・・でも。」
意外な言葉、そしてその何故か確信に満ちた表情に驚くマナ。
「ねぇ、いったいそれってどういうことなの」
「なんとなく、分かるんです。」
「なんとなくって・・・・・・」
だが、それっきり楓は言葉を発さなかった。
エルクゥ、異星人の末裔である彼女は、精神交感能力、いわゆるテレパシーが使える。
残念ながら、その能力は同族間にのみ通じる微弱な物であったが、それを使って先ほどから彼女は呼びかけていた。
(耕一さん、千鶴ねぇさん、私はここに居るよ)
そして、特殊な能力をもつのは傍らの月島瑠璃子も同様であることを彼女は知っていた。
電波、その能力を使い、彼女も呼びかけているに違いない、彼女の兄に、そして長瀬祐介に。
だが、そのことを話して信じてもらえるとは思えなかった、まして自分は口下手なのだ。
いきおい、黙りがちになる彼女を、マナは不安そうに見つめていた。
【観月マナ、月島瑠璃子、柏木楓、ホテルがあった辺りへ当ても無く歩き続けている(様に見える)】
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