傍観者



……セバスは困っていた。
セバスは過去NYに渡り地下プロレスを総なめにした男。
そして現在は、執事として来栖川家のお嬢様2人を預かる身分である。
英語など、ものの数ではない。
彼をよく知る者が、彼を「武装された脳味噌」と称するのも無理のない話である。
……しかし。
「使い方が解らぬ………」
英語が読めれば、コンピューターを扱えるわけでは無いのである。
「最終手段としての自爆ボタンがあるのは、幸いと言うべきですかな………」
ガラスのようなケースに包まれた、赤いボタンを眺めてそう呟く。

結局、マニュアルは無かった。
だからといって、セバスはもう、ここを動きお嬢様の元へ戻ることも出来ない。
幼い子供の死を、見てしまったから。
「辛い……ものですな………」
超先生を殺したことを後悔する。しかし、(命に別状は無いとはいえ)
セキュリティから受けた足の怪我を考慮すれば、不意をうつしかなかったのも事実。

セバスの瞳に映る、ただ「セキュリティ」とだけ書かれたボタン。
超先生の首が、椅子の上であざ笑っているような気がした……………。



【セバス、皆の死を『看取る』ことを決意する。怪我は、機動力と足技(笑)に影響する程度】
【超先生の間(笑)へのセキュリティは、未だ運転中(ごく一部潰されてるが)】
【園内放送用マイクのある部屋、「セキュリティ」と書かれたボタンの効果、共に不明】
【食い物と治療品には困らないようだ。後、原稿用紙とペンにも(笑)】

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