無題



 私は空に舞った。何故だかは覚えていない。
 なんだっけ、確か車の上から空に放り出されたんだっけ?
 目に入るのは青色の空と浮ぶ雲。いつも見ている空。
 どんな場所でも空は同じ色をしている。
 身体に感じる衝撃。どん、と音をたてて私は地面に落ちた。
 そして、私の意識は闇に溶けこんでいった。

「いてててて…」
 目覚めは痛みと共に訪れた。小さい体を起こし、私は身体についた砂埃を払い落とす。
 一体何が起きたんだろう。判らない。
 そうだ、美凪は?
 美凪はどこにいったんだろう?
 辺りを見まわしてもただあるものは永遠とも思われる砂浜と海。
 見渡す限り変わらぬ風景。
 ここは――、島なのかな? どうなんだろう。

 私は砂浜に座り、海を眺めていた。
 太陽の光が水面に反射してきらきらと輝いていた。
「ねぇ、美凪? 綺麗な風景だよねー」
 答えはない。
 ずっと一緒だった友達、美凪。その美凪が傍に居ない。

 ――寂しい。

 んにゅ、と小さく声に出して気合いを入れる。
 とりあえず美凪を探すんだ。そして美凪と一緒にどうするか考えよう。
 そう考えながら少女はギュっと砂浜を踏みしめながら一歩また一歩と前に進み始める。
震える心を抑えながら。大好きな友達を求めて。少女はまた足を踏み出すのだった。


【みちる とりあえず美凪探し】



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