クラースの告白〜第2話〜

 

 

「どう?」

そういって彼女は私の顔を覗き込んだ

「ん…なかなか、いけるんじゃないか?」

彼女はミラルド…私の助手だ…

 

――今は、アセリア暦4203年

――彼は彼女が作ったパイを食べていた

「そう?よかった♪」

そう言うと、彼女はキッチンにはいっていった

こんな、関係が何年続いているのだろう…

――彼、クラースは、悩んでいた

ミラルドは助手だ…今は…

キッチンの方から鼻歌が聞こえる…心地よいリズムだ…

――彼はため息をついた

「ちょっと、散歩してくる」

そう言うとクラースは家を出た

「行ってらっしゃい」

奥から彼女が声をかけた

『主よ、何を悩んでいる?』

クラースの心の中に声がした

「…オリジンか?」

『主はあの女性が好きなのだろう?』

「そ、そんなことは…」

クラースは否定したが、顔が真っ赤になっていた

『長く主と一緒にいれば、その位はわかる…』

オリジンと呼ばれた声の主はそう答えた

『言ってしまえば良いだろう?何故言わない?』

クラースは深く息をすると、こう言った

「私たちは長い間あんな関係にあるんだ。今更なんと言う?」

『…人間というのは不便なものだな』

オリジンは続けた

『しかし、主はこのままでいいのか?このままの関係が続いていいのか?』

「うむ…」

彼の決意は固まった

がちゃ

ドアを開ける音がした

あ、帰ってきたわ

そう、彼女は思った

豊富な知識…豊かな経験…昔からの幼馴染…

それだけにひかれたわけではなかったが、彼女も又、彼を愛していた

タン、タン、タン…

廊下を歩く音が聞こえる…

?なにかしら?あの人が自分からこっちに来るなんて…

彼の決意は揺らぐことはなかった

言うんだ、今日こそ、言うんだ

そうつぶやきながら、彼女のもとへ歩いていった

自分では落ち着いてるつもりだったが、歩調はいつもより、かなり早かった

「ミラルド!」

彼は彼女に話し掛けた

いや、どちらかと言うと、名前を大声で呼んだ

「何?クラース?」

彼女は微笑みかけた

「ミラルド、話があるんだ…」

彼の頭の中で言葉が飛び交っていた

(愛してる、好きだ、…だめだ、こんな簡単な言葉では…)

「いや…あの…その…」

だめだ、言葉がでてこない…

彼女はもう気づいていた

彼が何を言いたいのか

何て言おう…何て言おう…

「あ…その…さ、散歩でも行かないか?」

何を言ってるんだ?私は?

「いいわよ」

そう言うと彼女は微笑んだ

外はもう夕方で人が少なかった

数人の子供たちが遊んでいる

「キレイな夕陽…」

「ああ…そうだな」

彼もうなずく

「私たち長い間、一緒にいるわね…」

「そうだな…」

大きく息を吸い込むと彼は言った

「卒業…しないか…?」

「え?」

彼女は聞き返した

「…今の関係を、卒業しないか?」

「な、なによ、突然?」

彼女はびっくりして尋ねた

しかし、もう彼女の中で答えは出ていた

「それに、卒業ってどういう意味よ?」

彼の鼓動は鐘を打つように早まっていった

「一生、傍に居てくれ」

彼女の鼓動も早まっていった

「お前に…いや、君にずっと傍に居て支えて欲しいんだ」

彼女は答えた…

「もちろんよ」

それだけで十分だった

沈みゆく夕陽を前にふたりは抱き合っていた…

 

FIN

 

 

 

−感想−

ゆぐどらしる様からいただいた、第1話の続編です。
ずっと悩みつづけた末、ようやく本当の気持ちを告白することができたクラース…
やはりミラルドがいないと何かと寂しいのですね(^^)
私も最初読んでいて不思議に切なくなっちゃいました…!(爆)
でも、クラースのような男性って意外と包容力が大盛だと思いません?

 

=もどる=

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