第13回 平成17年(2005年)4月14日掲載

 アオアシカツオドリ


 
 

 世界の秘境のひとつと言われるガラパゴス諸島は、南米エクアドルの西、赤道近くの太平洋上に位置しています。その中のノースセイモア島。アオアシカツオドリのコロニーがありますが、一度に上陸できる人数は限られているし、船着場もありません。ライフベストを着込んで周遊船から小船に乗り換え、岩の手がかりにしがみつき、波の動きに合わせ、よいしょっと上がります。

 トレイルは、人が歩いてよい場所の幅を示す杭があるだけ。鳥たちの方はおかまいなく、トレイルの中にまで巣を作り、人が近付くとブーと怒ります。ごめんごめんと、よけて通ります。
 この鳥の求愛ダンスが実に楽しいのです。くちばしを空に向けながら翼を広げる、青い足で四股を踏むような動作をする、またくちばしを空に向ける、鳴く・・・・など。
 
中でも、ペアが一緒に四股を踏む時の青い足の動きが人気の的。まさに息の合った2羽のダンスです。別の島の土産物屋では、青い足だけが踊っているデザインのTシャツを売っていました。
 求愛ダンスを踊っているペアの隣では、もう大きくなった雛に餌をやっています。近くの海で採ってきた魚を吐き出し、口移しにやろうとしていると、アメリカグンカンドリが奪いにきて、激しく争います。
 昔から今も、そしてこの先も、この島では、同じ営みが続けられます。日本での日常生活の中、この島と鳥たちのことを思い出すと、心が少し広がります。 
 春らしく暖かいある朝、いつもと違う声に見上げたら、軒先のスズメが、胸を張り尾を上げて、小さな求愛のポーズを見せていました。

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