バイオ・コップ
  ”「弱すぎる!」ドイツ発サイバーヒーロー”
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  MILLENIUM MANN
 監督 ジョー・コッペレッタ
 製作 ニールス・G・スティッツ 2000年/ドイツ
 脚本 ティナ・ホーニック
 音楽 ジークフリード・フリードリッヒ
 出演 マルクス・クナフケン
     ライナー・グレンコウィッツ
     アンドレア・ルーク


タイトルからして”ロボコップ臭プンプン”と、思ってみていたら・・・

いきなり主人公の車を襲う、なぜか自動追尾するバズーカ砲弾!?
(注・有線式ロケット弾でもなく、タダの砲弾)

それをドライビングテクだけで振り切る主人公の麻薬捜査官
”ニコラス・バイヤー”!


この非常識さにのっけからビックリ。

しかし、あえなく半透明の素材で通行止めされた道へと追い込まれ、車は頭から突っ込んで停止。
車外からビスビスとライフルで何発も撃ち込まれ、それでもまだ半死半生の主人公。
殺した相手の指輪を奪うのが趣味という”ダークマン”に出てきた指を集めているボスのパクリみたいな麻薬シンジケート”スカイブルー”のボス”ツォルン”に止めとばかりにタバコで漏れたガソリンに着火され、車は爆発炎上。

ですが、それでも全身火傷になりながら片手と片目を失っただけで、しぶとく生きているど根性主人公バイヤー・・・。
と、いう事でお約束・・・彼はサイボーグとして復活します。

タイトルどおりの”バイオコップ”として!

さて、このバイオコップ計画の責任者の”ツィンマー”と女博士”カスリン・シュテルン”によって改造されたバイヤー・・・その勇姿は・・・?
ここでロボコップみたいなのを想像してたのですが…


主人公の外見は…


生身の人間そのまんま・・・。

「人並みなのが一番難しいんだぞ!」

これじゃ”あろひろし”のマンガ(それ行け!奥秩父研究所)みたい。
・・・チョット違いますが・・・。


それはさておき、そんな大それた極秘プロジェクトにも関わらず・・・
責任者、博士、バックアップの刑事2人と言う、総計5人という零細部署に配属されたバイオ・コップ・バイヤーですが・・・わざわざ殉職した捜査官を大金をかけて蘇生させるくらいですから、色々と常人以上の機能があります。

左目は多機能なカメラアイに右腕はあらゆるオプション兵装が仕込まれていて、脳につけられた制御チップにより常人の十倍のスピードで動く事が可能です。
脳にアクセラレーターをつけるというのはサイバーパンクでは定石ですがSF映画となると、あまり見た事がないので意外と新鮮です。
また、通信により様々なデーターのやり取りもできます。
しかし、その代償として彼は記憶を失い、食事が出来ない身体になりました。
だけど、この事が知らされるのは屋外での実地試験になってようやくです。
改造手術が終わってトレーニングが終わるまでの3ヶ月間・・・バイヤーはいったい何を喰ってたんだろう?
実地試験の時になって始めてバイオコップとしての食事をしてましたし・・・。
食事が出来ないと聞いて、
この世の終わりのような顔をしてショックを受けているバイヤー
その上「セックスも出来ない」と言われて更に大慌て!
幸いにもそっちは冗談だったらしいのですが・・・

しかし、バイヤーの怒りと不満は収まらず
「よくも俺をメシも食えない身体にしたな!」

と、試験から帰るなり博士に詰め寄るバイヤー。
それにしても、メシが食えない事に大激怒して博士に掴みかかるサイボーグ…斬新です!!
正義の味方とは言え、飯くらい喰いたいとは実に人間らしい欲求です。

まあ、それはおいといて主人公のカメラの映像はホームビデオで撮影してるし、右手から出る各種の端子は指の間に小道具を挟んでいるだけだし、なにより主人公が全然サイボーグに見えないなど・・・
この映画は明らかに低予算なのですが、あくまで主人公を『ヒーローではなく、正義に燃える捜査官』という等身大の人間に描こうとしている点には非常に好感が持てます。

しかし、それにしたってバイオコップ・バイヤーの能力は多機能ではありますが、
実に情けない!
とても、堅実で機能的なドイツ人が作ったものとは思えません。

なぜ、情けないのか?
納得していただく為にも、バイオコップとなったバイヤーの活躍を追ってみましょう!
ツォルンの弁護士の不正を暴こうとする為に掃除婦に変装して、ビルに進入するんですが声帯の切り替え機能はなぜか外部切り替え式で、自分で声を変える事はできません。
その割には左手の多機能レーザーなる不条理なアイテムで簡単にセキュリティーやコンピューターを操れるんですが・・・。
どう考えたって、バックアップとの役割分担が間違ってます!
ともかく、最深部のボスの部屋にまんまと進入し、金庫破りをするのに本部から金庫のデーターを転送してもらったりして・・・

バイヤー「日本製だな・・・型は最新式じゃない・・・」

なんてやってたんですが・・・結局、成す術がなく、最後はコンピューターのハードディスクを自分のハードディスクに丸ごとコピー。
(情けな!)

コピーの終了まで手持ち無沙汰なバイヤーはデスクに置かれた食べかけのピザの誘惑に勝てず、食べ始めます。
異常に気がついた博士はバイヤーに・・・
博士「貴方、何か食べてるでしょう!」

バイヤー「いいや・・・」

博士「咀嚼音がするわよ・・・」

次々にコンピューターに表示されてゆくデーター

構成成分 サラミ・・・チーズ・・・トマト・・・

ん・・・? ・・・成分なのかそれは!?

そして、コンピューターに表示されるCGのピザ。

途端に、のた打ち回るバイヤー。


何でも、バイオコップ用に調合された栄養ドリンク以外を摂取すると、もともとタイトなバランスの機械部品との接合部が拒絶反応を起こすらしいです。
面白い設定ですが・・・いくらなんでも、反応が起こるの早すぎです。

仕方なくハードディスクのコピーを中断して、悲鳴を上げながらフラフラとビルの中を逃げ回るバイオコップ。

冷えて硬くなったピザをつまみ食いしたくらいで、これはひどい罰です。


当然、警備員に見つかりながら逃げまわるバイヤー。
警備員を殴り倒して逃げますが、腕もポロリともげてしまいます。
何とかバックアップの刑事がビルに乗り込み、警備員を麻酔銃で眠らせ、バイヤーを担いで逃走します。

私も色々とダメ映画でダメなサイボーグをみてきましたが・・・
彼は間違いなくトップクラスのダメっぷりです。


散々、博士たちに注意されるバイヤー。
しかし、何とかコピーできたデーターの中から、貧民救済船と言う胡散臭い慈善事業の存在を発見。 またしても変装して乗り込みます。
舟の中で仲良くなった手癖の悪い少年の協力もあって、舟がツォルンの麻薬製造工場である事を突き止め、ツォルンには自分だけでなく妻も殺された事を思い出します。
その事を隠していた博士たちと大喧嘩をし、和解し、再び用済みと爆破される寸前の麻薬工場船に乗り込むバイヤー。
一瞬で相手を気絶させるが一人分で使い切ってしまう麻酔ガスなど、すごいけどショボイ装備を駆使してツォルンのところへと堂々と乗りみますが、今度は舟の中にいる人間たちと、なぜか捕まっているツィンマーを人質にとられ、
あっさりと殴り倒され、気絶するバイヤー。

『サイボーグのクセに生身の人間に一発で気絶させられるなんて…』 トホホ…。


よりによって頼りのバイオコップがダウンしてしまったので、再起動させるために博士自ら、敵のアジトに侵入。
何と言うか役に立たないサイボーグ。
思いっきり足を引っ張ってます。
博士のおかげで再起動し、博士に乗員の避難誘導を任せて、時限爆弾の解除に勤しむバイヤー。

・・・しかし、バックアップの刑事がなかなか爆弾解除のためのデーターが入ったCD-ROMを見つけられず思いっきりロスタイム!
「CD-ROMを整理してなかったんだ…」
CD-ROM・・・車の中に投げっぱなしで未整理・・・。
(おいおい・・・!)

しかも、やっと見つかったCDもデーターが古かったらしく、実際の爆弾と解除方法が違います。
この部署・・・やっぱり問題があり過ぎです・・・。
仕方ないと、イチかバチかと雷管を引き抜くバイヤー。
それであっさりと停止する爆弾!

おいっ、どういう爆弾だよ!

なんだか素人が作ったみたいな爆弾ですが・・・時間がきても爆発しないので、ツォルンは遠隔操作で爆弾を爆破!

バイヤーのやった事、まさに無駄!

と、いうか・・・時限式の他に電波式の雷管がついているなんて、用意周到と言うか・・・普通は雷管って一つじゃないの?

そんな訳で爆発と炎に巻かれたバイヤーはツォルンに火をつけられて大火傷した時の事を思い出して足がすくみますが、博士たちに励まされ掌がパカッと割れて極太のワイヤーをスパイダーマンのように出して天井から脱出。
最初で最後の人体に対しての直接のCG処理なので、妙に気合が入っています。


そのまま、子供人質に麻薬を積んだトレーラーで逃走するツォルンを走って追跡するバイヤー。
後からはバックアップ要員のパトカーが追いかけます・・・。

無駄な体力使わずに、パトカーに乗れよバイヤー!!

当然の事ながら常人の10倍の速さで動けますが、10倍以上疲れます。


どこまでも彼はそういう仕様なんです。

バイヤーが助けに来てくれると信じる子供に「そんなことあるか」と悪党らしく言うツォルンの前方に突然現れるバイヤーの姿・・・。
そのまま、アクセルを踏み込み轢き殺そうとするツォルン。
しかし、それに反して車の屋根から手が伸びて、子供を救出。
車の屋根から子供を抱えて飛び去るバイヤー。
なんと車の前に現れたのは、バイヤーの右手から発せられるホログラムだったのです!
そのままコンテナに激突する、ツォルンのトレーラー。

まあ、それはいいんですが・・・ホログラムと言うのは複数の方向からの映像を重ねる事によって、立体的にするんですが…しかも…
ずっとトレーラーの天井にしがみついたままどうやって照射しつづけたのか・・・。
おまけに子供を抱えて飛び去ってますし・・・


一応、クライマックスです。深く考えずにおきましょう。
新たなピンチがやってきますし。

壁に激突したツォルンのトレーラーの上に、あたりをよく確認しないコンテナ輸送係がコンテナを下ろし始めたのです。
どんどん潰されてゆくトレーラー。
それでも、音楽をガンガンに掛けていて気がつかない輸送係。
バイヤーはツォルンから妻の指輪を取り返そうとしますが、バイオコップの制御装置は電磁波に非常に弱いので、コンテナ輸送車のクレーンの電磁石のせいで動作不良を起こしています。


なんとか根性で、お約束と言うか・・・見事に指輪を取り戻し、恨み重なるツォルンの命を助けて、パンチ1発食らわせてから豚箱にぶち込みます。


しかし、騒動の最中に命を落としたツィンマーの残していた遺言ビデオにより、スカイブルーは末端組織に過ぎずその上部組織は警察上層部にも影響力があるので、警察から独立した組織の道を歩めとの提言。

彼の忠告のとおり、獄中のツォルンは暗殺され、バイオコップの地下秘密基地は特殊部隊の襲撃を受けます。

忠告どおりに既に放棄していた公衆トイレの地下にある秘密基地を敵ごと爆破し、子供を親友に託すとバイヤーたちは巨大な犯罪組織と戦う道を歩みだしたのでした。(完)


最後にひと捻りあって、まるでドラマシリーズの第1話のような内容(笑)

は〜い、この映画のTVシリーズ見たい人〜〜〜・・・

いないか・・・。

日本版ジャケットには「この俺に『実行不可能な任務』はない」なんて書いてありますが・・・正直彼らの先行き不安すぎです。

そんな訳で俺もそこまで見たいとは思わないですが・・・
「壊滅した特殊部隊が・・・もしかして、初期の”ブルースワット”みたいにハードで面白く」・・・なる訳ないか・・・。
とは言え、ダメ映画ですが、前述のとおり主人公を欠陥だらけのヒーローとして描いているところは非常に好感が持てます。
高い能力を秘めているが、仲間の協力があってこそ一人前というのは、アメリカ映画ではまず見られないヒーローではないでしょうか?
その分屋のエキスパートばかりのチームという、お約束の設定とは一味違って楽しく見れました。
ツッコミどころ満載ですが、低予算ながらこれまでにないヒーロー像を作り出そうと言う試行錯誤が見れる、なかなかの意欲作だと思います。
レンタル100円の日にはお勧めです!(またかよ)



最期におまけを一つ。
本筋とはあんまり関係ないシーンなのですが、スカイブルーの幹部が警察に面の割れた部下を始末しようとするのですが・・・
部下を愛車の高級ドイツ車のハンドルに手錠で固定、屋根の幌を裂いて速乾性のコンクリを流し込んで、シートに座ったまま生き埋めにしてからクレーンで海の上に吊り上げて、ワイヤーを時限爆弾で切って海に沈める・・・という、
あまりに懲りすぎた処刑があって笑いました。


確かに時限爆弾を使う分…ある程度、アリバイは作れるかもしれませんが・・・あまりに派手で大掛かり過ぎます・・・。
しかも、それを見ながらのんびりしているスカイブルーの皆さん。

まあ、そんな時間の掛かる事をしてるから・・・バイヤーの親友だった刑事に嗅ぎつかれた挙句、彼の相棒だった内通者も失う事になり、おまけに面の割れた部下も助けられるハメになりました。


教訓 処刑に凝るのは程々にしよう!

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